ダークナイト [DVD]

監督 : クリストファー・ノーラン 
出演 : クリスチャン・ベール  マイケル・ケイン  ヒース・レジャー  ゲーリー・オールドマン  アーロン・エッカート  マギー・ギレンホール  モーガン・フリーマン 
  • ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
3.81
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本棚登録 : 99
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4548967245004

感想・レビュー・書評

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  • THE DARK KNIGHT
    2008年 アメリカ+イギリス 152分
    監督:クリストファー・ノーラン
    出演:クリスチャン・ベール/ヒース・レジャー/アーロン・エッカート/ゲイリー・オールドマン/モーガン・フリーマン/マイケル・ケイン

    ゴッサムシティに、ジョーカー(ヒース・レジャー)と名乗る凶悪な犯罪者が現れる。金銭ではなく純粋な娯楽として悪を楽しむジョーカーに警察のみならずマフィアまで翻弄され、バットマン(クリスチャン・ベール)が対決することになるが…。

    ダークナイトトリロジー2作目にして、シリーズ最高傑作の呼び声も高いダークナイト。以前テレビ放映で見たときには、やはりCM入り吹き替え版だと集中できず、世間で絶賛されるほどの魅力がわからなかったのだけど、改めて字幕ノーカットで見るとやはり名作でした。

    1作目から引き続き、バットマンについて強調されるのは彼が生身の人間であること。日頃のパトロール中、スーツを着ていても生身の肉体は打撲や裂傷だらけ。対するジョーカーは、その狂気に怪物性はあるものの、やはりあくまで凶悪な人間。本人は化け物=フリークスという言葉を使っているが、彼の言うフリークスはティム・バートン的フリークスとは違い、あくまで内面的な人間の邪悪さのようなものだと思う。

    演じたヒース・レジャーについては、今さら私が褒めるまでもなく世界中から絶賛されているけれど、やっぱり凄い。脚本の力もあるだろうけど、いわゆるヒーローものの単純なヴィランと違い、犯罪哲学を持った本物の悪を体現。怖いのはこのジョーカーの経歴について一切語られないところ。本人は口裂けメイクの理由について何度か話すが、毎回違う作り話。こんな凶悪犯が誕生した背景を一切描かないというのは逆に凄い。(ゆえに逆にそこに焦点を絞ったホアキン版のジョーカーが成立したともいえる)

    ジョーカーの目的は金銭や物質ではなく、ただただ犯罪が楽しいだけなのでたちが悪い。失うものを持たない彼はいわゆる無敵の人でもある。自ら手を下さず、計略を用いて殺し合いをさせるように仕向けるケースが繰り返されるのも悪辣。そして、ついに正義の検事ハービー・デント(アーロン・エッカート)もジョーカーの罠にかかり闇堕ちしてしまう。

    今回から登場したハービー・デントは、前シリーズでもお馴染みの怪人トゥーフェイスになってしまう人物。前シリーズでは彼がトゥーフェイスになる経緯は省かれていたが、今シリーズでは逆に正義感の強い判事だった頃の活躍を十分すぎるほど描いた上で、いかにして彼がトゥーフェイスになってしまったかを観客は見せられる。ジョーカーとは真逆の扱いだが、やはり今シリーズではトゥーフェイスも怪人ではなくあくまで復讐のために狂気に落ちてしまった人間として描かれている。

    さて今回ヒロインのレイチェルはなぜか前作のケイティ・ホームズからマギー・ギレンホールにチェンジしているのだけど、このレイチェルが、なぜかブルースではなくハービーと交際中。いわゆる三角関係になるのだけれど、この恋愛部分はイマイチ。実は前作からあまりレイチェルに魅力を感じていなかったのだけど、今作ではさらに魅力減なのに、二人の男性からモテモテ。理由がわからない。役割としては前作より重要なはずなのだけど…結局ブルースとハービーのどちらを愛していたのかよくわからず共感できないままだった。

    ゲイリー・オールドマン、モーガン・フリーマン、マイケル・ケインのおじさまたちは相変わらず渋くて良き。全体的に重厚なドラマとして映画の完成度は抜群に高かった。アメコミヒーローをここまで重厚に描いたのは凄い。ジョーカーは我々に、正義とは何か?と常に問いかけてくる。復讐は正義か?勧善懲悪は正義か?人は常に正義の側に加担できるのか? その答えがみつからないから、バットマンは結局彼を殺せなかったのだろう。

  • 映画「ジョーカー」見てからのダークナイト。
    アニメのバットマンを小学生頃に見て以来のバットマンだった上に、バットマンの実写版は初めてだったが、バットマンシリーズは子供向けカートゥンだったことがおかしかったのか、それとも大人向けにアレンジされたものだったのか、どっちなんだろうか。
    それくらいに重かった。
    なんでもないただの人がバットマンなんだということを思い知る。彼はゴッサム・シティにとってヒーローだろうけど、決してスーパーマンのような超人ではなく、むしろ、市民の誰もがバットマンなり得るんだと物語る。それはラストで、一般市民と囚人で分けられた船の中がそれを示している。囚人たちは最後一般市民のためにボタンを押さず、むしろそれを投げ捨てる。彼らは自分の命を犠牲にして、名前も知らぬ一般市民を守る選択をした。バットマンはジョーカーに対して人々の良心について語るが、良心こそがバットマンであり、バットマンはバットマンという固有名詞を持った良心なんだろう。
    同時に人は誰もがジョーカーになり得る。それはトゥーフェイスになってしまったハービー・デントがそれを示しており、同時に一般市民船に乗った彼らを指している。(後者は結局ボタンを押すことができなかったが)
    事実、ジョーカーは日本語吹替版では、バットマンに向かって「落ちる」という表現を使う。ジョーカーはよくわかっているんだ、誰もが彼の側にやってこれることを。
    人が倫理や道徳、あるいは法律のレールの上から落ちてしまうことはあまりにも容易いことだろう。誰もが自身の感情を持っており、それらの感情は時に倫理観や道徳心から外れてしまうこともある。しかし、その感情を抑え、あるいは消化し、踏みとどまることができ、良心を大切にし、他人を慮ったとき、誰もがバットマンになれるんだろう。
    この作品はバットマンたちの作品だったのかもしれない。

  • こちらはダークナイト・トリロジー(所謂ノーラン版のバットマン三部作)の第二作目なので、未視聴の方はまずバットマン ビギンズを観てからご覧になってください。

    相変わらず格好良いクリスチャン・ベイルのバットマン。
    "ゴッサムの為なら何にでもなる"という強い意志でもって、真実を隠し真のヒーローとなった"ダークナイト"バットマン。ラスト、その決意に涙が溢れます。

    そしてやはりジョーカー役のヒース・レジャー。彼がいなければこの映画は成立しないと、観た者は誰もが思うであろう圧巻の演技。何者にも代え難い彼がこの作品を最期に旅立ってしまったのが本当に惜しまれます。

    善と悪、光と影、それらは正に表裏一体。
    バットマンとジョーカーの対立、そして光の騎士とあだ名されたハービー・デントの末路と闇の騎士であるバットマンとの対比によって、対極にあるはずの二つの境界が実はとても曖昧模糊であるという事が見事に描かれている作品。
    最高の映画です。

  • ダークナイトっていうからdark night(暗い夜)かと思ったら、dark knight(暗黒の騎士)だった…。

    ヒース・レジャー、最高。やってることは極悪非道なことばかりなんだけど、しぐさがお茶目。

    ジョーカーは、完璧な計算の上に淡々と犯罪をこなすタイプではなく、相手の懐に堂々と乗り込んできて、いちいち対話をふっかけてくる、哲学者というか求道者のような雰囲気。まるで真実の答えを探し求めているかのように…。

    たしかに狂気は狂気なんだけど、理解不能な狂気ではなく、彼独自の一貫した哲学、一面の説得力を感じる。

    善悪もコインの裏表みたいなものかもしれない。運しだいでどちらにもひっくり返る可能性がある。俺だったら躊躇なく船を爆破しただろうが(笑)。

  • 一作目の方が良い

  • クリストファー・ノーラン監督のバットマンを主役にした「ダークナイト・トリロジー」の第2作め。
    この手のヒーローものでは最高傑作だと思う。

    バットマン役のクリスチャン・ベールとジョーカー役のヒース・レジャーが本当に素晴らしい。
    脇を固める面々もヒロイン以外はとても良かった。

    前作でヒロインを演じたケイティ・ホームズも軽い感じでイマイチだったけれど、ケイティがトム・クルーズの娘さんを出産するので交代した本作の女優さんは演技も見た目もオバちゃんで、かなり浮いている感じでした。

    全体を通して人間の心理を深く掘り下げているお話。
    ただ戦っているだけではないし、物語も他のヒーローものに比べると全体的に地味ではあるのだけど、とても重厚で奥の深い物語。
    バットマンに惚れました!

  • 立川シネマシティで『ダークナイト』を観た。

    私はアメコミにまったく興味がないし、バットマン・シリーズもティム・バートンが監督した第一作しか観ていない。しかし、この 『ダークナイト』、私のウェブ巡回先の目利きの方々がこぞって絶賛(粉川哲夫氏、竹熊健太郎氏、「超映画批評」の前田有一氏など)しているので、「これは観ておかないと……」と思ったのだった。

    評判どおりの傑作。アメコミを題材にして、ここまでダークでシリアスな映画が生まれるとは思わなかった。最初から最後まで重々しい緊張感が張りつめ、それでいて娯楽アクション映画としても一級品に仕上がっている。

    ジョーカー役のヒース・レジャーが公開前に急死したためか、テレビ等の宣伝ではジョーカーにウエイトが置かれており、まるでジョーカーが主人公のように思える。

    しかし、実際に観てみればそんなことはなく、バットマンとジョーカーは同等の重みをもって映画の中でせめぎ合っている。ダークな味わいではあるものの、単純に「ヒーローもの」として観ても、バットマンのカッコよさは十分堪能できる作品だ。

    ジョーカーは、金銭にすら興味がなく、ただ悪のための悪を行いつづける、いわぱ「ピュアな悪」「全き悪」として造型されている。

    自らの保身など微塵も考えない、型破りな悪の権化・ジョーカー。彼はバットマンや副主人公ともいうべき検事ハービー・デントに、「お前たちが拠って立つ正義は、ほんとうに正義なのか?」と問いつめるような挑発を次々と仕掛ける。その挑発に、バットマンの正義は大きく揺らぐ。その揺らぎようがドラマの駆動力となる映画だ。

    粉川哲夫氏は本作のレビューで「善悪の問題をこれほど深くあつかった映画作品はいままでなかったと言えるほどの傑作だ」と書いていたが、同感である。この『ダークナイト』と比較して論ずるべきは、過去のバットマン・シリーズより、むしろ我が国が誇る名作マンガ『デビルマン』(永井豪)だろう。

    映像もものすごい。闇に沈むゴッサムシティにバットマンがビルの上から舞い降りるそのワンカットだけでも、もううっとりするほど美しい。

    そして、ジョーカーとバットマンの闘いのなかでビルや車が次々破壊されていくプロセス自体、えもいわれぬ悲壮美に満ち、しかも苦いカタルシスがある。随所にちりばめられた、街の闇を切り裂く炎と爆発――その「破滅の美」を味わうためだけにでも、映画館に足を運ぶ価値がある。

  • TVにて
    バットマンの悪を背負って立つラストに崇高、孤高の美を感じた。

  • コロナ禍、1週間夏休みだがやることがなく、映画でも。人気の映画をWebで調べピックアップし見てみる。

    人気は高いが、私はアメリカンヒーローモノ好きでは無いが、気軽に見れるし見てみようとこれをチョイス。

    悪が蔓延る街、正義感の有る判事、警察、バットマンでマフィアを一層しようとするが、マフィアも「ジョーカー」にバットマン抹殺を依頼し、対立は激化、思考のぶっ飛んだジョーカーに翻弄され話は進む。

    テンポ良く話は進むし、ハラハラドキドキの展開で面白いが、はやりアメコミは好きじゃないなぁと言う感想。

    記録残しておこうと、ブクログを開くと7年前にこの作品を観ていた事が判明、ううっ全然覚えてなかったな。

  • 場面が飛んでいることが多く、もっと丁寧に描かれていたら良かった。

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