Quiet: The Power of Introverts in a World That Can't Stop Talking
- Penguin (2013年1月3日発売)


内向的な人の良さと弱さについて様々な方の例を用いながら説明している面白い本。特に外向的な性格を尊重する欧米圏から出ているというのが面白いポイントだなと思った。
最初の方が外向的な人を否定しているような気がしてあまり良い印象を受けなかったが、読み進めていくうちになるほどな、と思う部分があった。
例えば、スタンディングオベーションで終えるような人気の大学教授が実はおうちでは引きこもって静かに暮らしている、など別人格かのように環境に合わせて態度や振る舞いを変える人の話がとても面白かった。自分自身も確かにどちらかというと内向的で、土日は予定を入れていて終わって家に帰ってぐったりするときもあるなと思った。だけど、職場では状況に合わせて外交的な要素を出しているなと思った。
あと欧米ではとても外交的な性格が評価されることによって内向的な肩身狭く生きていることが少し悲しかった。中国の孔子などの教えが根深いアジア圏では内向的な人を尊重する風潮があり、アメリカにいる内向的な人は日本は心地良いと感じる人も中にいるのだろうと思った。さらに「オタク」「コミュ障」とかの言葉が生まれたこともきっとアジアならではだろう。
そして作者はアジア圏に住んでいる人ではなく、アジア系アメリカ人をインタビューしているところも面白いなと感じた。アジア人が多い地域に住んでいたから私はかなり心地よく過ごしていたのかなと思う部分はあった。
内向的な人に対する明確な結論はないが、自分自身もしくは周りにいるパートナー、同僚、子供がintrovertであった場合にどの接するべきかのトリセツである。そのため内向的という自覚のある人だけでなく様々な人に読んでほしい。
- 感想投稿日 : 2020年11月28日
- 読了日 : 2020年11月28日
- 本棚登録日 : 2020年10月24日
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