ハーバード流キャリア・チェンジ術

  • 翔泳社 (2003年5月16日発売)
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"キャリア=現在になっている仕事を、チェンジ=変える、転職する、ことをアカデミックに研究したもの。40近い実例を紹介しており、経験者がとってきた行動や感情の動きを体系的に整理している。
ハーバード流と記載があるが、けっして頭でっかちな「理論を立てて綿密な計画をたてて」というようなものではなく、地に足のついたやり方を推奨していることが共感できる。
迷いが生じたときには、まずいろんなことに手を出してみることをしている人が多い。つまり、現職にいながらも、何とか時間を作りだして気の赴くままに行動をしている。仕事とは全く関わりのないNPOの活動をしてみたり、興味を持った分野の企業とコンタクトをとったりしている。
試してみながら学んでいくことが、自分のキャリアを変える第一歩。
人間は、常に成長していくということを基本に、自らのアイデンティティも変わることを前提にしている。本来の自分像があって、その自分探しをして、ぴったりとあう職業を探すことはナンセンスということ。いろんなことにチャレンジしながら自分が何を考えているのかを見つめることが重要だといっている。そうこうしているうちに、付き合う人の幅が出てくる。どんな人と共に過ごしたいかを考えていくのだ。
今のライフスタイル、ワークスタイルに疑問を持ち始めた人に勇気を与えてくれる本。
ただ、登場する皆さんはCEOを目指していたり、独立してコンサルタント業をしていたり、それなりに優秀な人物ばかりなので、気後れしてしまう人もいるかもしれない。また、アメリカの労働市場と日本のそれとは違うので、簡単ではないという人もいるかもしれない。
確かに、違いはあるが、その違いを超えて本書にある思想は共有できるものだ。そして行動を起こすのは自分次第なのだ。やらない理由を考えるより、小さな一歩を踏み出すことを考えてみよう。"

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経営学・キャリア・MBA
感想投稿日 : 2018年10月20日
読了日 : 2018年10月20日
本棚登録日 : 2018年10月20日

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