2012年の一年間、毎日一首づつ書きつづった短歌の日記。「信号を待つ間見あぐる冬のそら雲の家族もゆるく別れぬ」「制服の男子は霧のにほひしてせつなかつたよ卒業のころ」「娘らが苺のやうであつたころ草いきれしたわたしのからだ」「死に飽きし者らめざむる気配あり花しろじろと降る平泉」「指先にサボテンの花噴き出でぬ自分が嫌でたまらないとき」「長椅子でこのまま眠つてはならぬ夜は出歩く長椅子のため」「洪水のバングラデシュを行く人の胸の高さに蛇泳ぎをり」「あの夏と呼ぶべき夏が皆にあり喉うごかして氷みづ飲む」「むかう向きの姑がさかんに話す人われには見えず夕闇の部屋」「真青なるおもひでは秋の草千里 肥後の筒酒のみて遊びき」「一点鐘ぽつんと鳴りてことごとく蟹はみほとけ泥の干潟の」
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2022年11月23日
- 読了日 : 2022年11月23日
- 本棚登録日 : 2022年11月23日
みんなの感想をみる