歌集 雨る (現代歌人シリーズ 11)

  • 書肆侃侃房 (2016年3月18日発売)
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自由奔放でいながらかすかな哀しみをたたえた渡辺松男の短歌の世界、いつまでもひたっていたいやすらぎを感じる。「癌と知りちひさくちひさくきみ座すればきみより大きな蜻蛉が窓に」「啼くこゑが君を見えなくしてしまふ夕日まばゆきかなかなの路」「キッチンとなかよくしたきわれならばおはやう、だれもゐないキッチン」「ひとをつよくおもふとき気球うかびたりつよくみあげてをればおちない」「この世ならぬひかりのみづをつつみたる桃はゆふぐれどきに食むもの」「消えさりし鱗のことはかなしけれど忘れてしまへいまは鯰だ」「えーえるえす、ゆめではなんと自由です、牧水の脚で渋峠こゆ」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年3月25日
読了日 : 2021年3月17日
本棚登録日 : 2021年3月17日

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