本屋大賞ということで当然作品を知っていたけど、読もうと思った大きな切っ掛けは『爆笑問題カーボーイ』でふたりが絶賛していたことや宮島さんが爆笑問題のファンだということだった。
成瀬視点で話が進むのだと思っていたら、全体として群像劇で、その中心に成瀬がいるという構図。成瀬の人物造形は「まあこんな人はいないだろう」というものではあるけど、みんなすっかりファンになってしまう気持ちのいいやつ。対して成瀬以外の登場人物にはかなり現実的な感覚を感じる。成瀬との対比ということかな。
最終話は成瀬の三人称視点で語られ、ここに来て成瀬の動揺が見られるのと、それまで読者が視点を借りていた人物全員が再登場、成瀬との関係が変化しているのも嬉しい。
成瀬に影響を受けて私も!みたいな感じよりは、身の回りに成瀬のような人を探したくなる、そしていたならばそっと応援したい、というような読後感だった。
読みやすく、構成もいい。続編も読む。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
9類 文学
- 感想投稿日 : 2024年9月13日
- 読了日 : 2024年9月12日
- 本棚登録日 : 2024年9月12日
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