九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響

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  • ころから (2014年3月11日発売)
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アトロクにて、9月になると毎年宇多丸さんが話題に挙げるので、読まねばなと思っていたら行きつけの図書館にあった。
元々「関東大震災朝鮮人虐殺事件」を否定する立場ではなかったけど、この本を読み進めると「あったこと」に間違いはないと思うに至った。

民衆だけでなく警察・行政・軍までもが流言に惑わされ、そして彼らの言葉によってそれが事実であると民衆が誤認し、自警団らの行動が激化していく。並行してル・ボンの『群衆心理』に関連した本も読み進めていたので、『人間が普遍的に持つ醜さにすぎないといえばそれまでである』とか『前日に熊谷で繰り広げられた惨劇の「高揚」に感染した』というあたりは、まさにそうだなと感じる。

レベッカ・ソルニット著『災害ユートピア』から「エリートパニック」という言葉が引用されており、なるほど。と思った。ソルニットは別な著作を読んでいて、『群衆心理』とともに読書が繋がっていく体験ができたのが嬉しい。

著者の言葉として、『事実を「知る」ことよりも「感じる」こと』をこの本で大事にした、と書かれている。「朝鮮人虐殺がなかった≒朝鮮人による暴動が本当にあり、それに対する防衛であった」とする人々は、なにを知り、なにを感じたんだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2類 歴史
感想投稿日 : 2022年9月8日
読了日 : 2022年9月8日
本棚登録日 : 2022年9月8日

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