神様がくれた指 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2004年8月28日発売)
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本棚登録 : 1320
感想 : 199
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天才的なスリの腕(指?)を持つ、昔気質な青年、辻。
怪我を負わされ、倒れていた辻を拾ったのは、占い師マルチェロこと、昼間。
彼もまた、占いで稼いだ金を、酒とギャンブルにつぎ込んでしまう青年。
ちょっと世間とは違う生き方をしているふたりの、おかしな同居生活。
やがて、ふたりがそれとは知らないうちに、それぞれの周囲の人々を巻き込む事件が起こる。

途中までの、ちょっと裏社会の追跡ものめいた展開までは、スピーディーで面白かった。登場人物同士の、奇妙な信頼関係にも、くすぐられた。
けど、ラストはちょっと、私には居心地が悪い感じ。
辻も、昼間も、少しだけ世間並みな方向に進むかも…?ということはそれはそれとして、永井や、ハルの未来には、何が待っているんだろう?
せめて永井には、他人同士でも、不幸な境遇にあっても、信頼を築くことが出来ると知って、もう少しだけでも、笑顔を取り戻して欲しかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内作家
感想投稿日 : 2016年8月2日
読了日 : 2016年8月2日
本棚登録日 : 2016年8月2日

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