まず、受賞おめでとうございます。たまたま検索に引っかかって読んだ「スノーホワイト/ホワイトアウト」が大好きだったので、広告で受賞を知りとても嬉しかったです。

ネットから下げられているので記憶頼りですが、書籍化にあたり改稿している模様。
個人的に残念なのがスノーホワイト/ホワイトアウトの好きだった語りが削られているところ。冒頭の「あなたは自分を何人持っていますか?」「一人?ほんとに?奴隷精神に単純作業させたりしてないんですか?」という読者への語りかけはトランスヒューマンへの憧れを掻き立てられましたし(常日頃分裂して仕事と趣味と家事を同時にしたいと思っておりますとも、ええ)、エピローグの「この話はこれでおしまいです。ありがちな話だったでしょ?」という冷笑的な結びは毒が効いてて好きだったので、無くなってて残念(たぶん後述するアリとキリギリスの改訂に合わせてお話的すぎる記述を消したのかな?)(引用は記憶頼りなので細部は異なっています、念のため)

ウェブで読んだとき、最後のアリとキリギリスの「ここまでの寓話集はキリギリスが書いたフィクションだった」という展開は、地球灰かぶり姫で書かれた人類(トランスヒューマン)のたくましさに胸ときめかせた身としては非常にガッカリしたので、書籍では事実にしてキリギリスを探すアリが各エピソードを拾っていく、という形になったのは良かったのですが、じゃあこれでより楽しくなったのかと聞かれると、綺麗にまとめようとしすぎた感じがして、うーん。

評で「モチーフの寓話に添った前半三作品は求心力があったが、モチーフから外れた後半三作品になるとそれがなくなってしまった」が頷けました。
魅力的な連作短編集が最後に纏めようとして壮大な世界観を狭めてしまう、というのはよくあるので、難しいなーと思います。好きな作風なので次回作に期待!

2019年3月25日

読書状況 読み終わった [2019年3月25日]

読書状況 読み終わった [2014年9月30日]

「粗暴な殺人犯アンヘル(強盗殺人の常習犯)が気まぐれから殺した相手の子供パオロを育てる内に愛情に目覚め、自分の犯した罪に苦悩する」
あらすじを把握して「やだ、そんな話わたし大好きだわ決まってるわ」と思ったら案の定大好きだったけど好きなだけに終盤の展開がきつかった!

アンヘルが犯した罪の報いを受けたのは、そりゃこの展開で逃げ切って幸せに暮らしました、はないと思ってたけど、本格的な報いの瞬間がもうきっつい。
ほんのちょっと色々なことが違っていたら、もっとマシなその後が始まったはずなのに、ほんのちょっとの不信や言葉に出来なかった想いがすれ違ってこの惨事。そしてその後に続く無理解の連続。

「殺人者が子供にまともな愛情を注げたはずがない」「子供があんな人殺しを愛せたはずがない」「愛してると思ってもそれは錯覚だ」と決めつけて、誰も二人の絆を理解しようともしなかった。

アンヘルの最期の日々が全く描写されなかったのがまた……せ、せめて手紙を書いていたとかそんなのを、ずっと『死ぬほど心配』しててでも再会は果たされずに終わったとか切なすぎる! と思ったので、最後に彼らの絆を知っていた人物が再訪したこととにほっとしました。それでも、もう一回だけでも、会わせてあげたかったな。

アンヘルのしたことは許されないことだけれど、パオロを愛したことが彼の「罰」になったと思う。煉獄の炎で焼かれた後は天国に行ってほしい。樵とその妻子に謝って、向こうでパオロと孫と幸せに眠ってほしい。そんな夢想をするくらいには切なかったです。

物語の始まりで終わりとなる世界の果ての澄んだ空気と、そこに流れる砂埃がさっと払われるかのような瑞々しい心象が美しい、心に来る一冊でした。

2014年9月26日

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読書状況 読み終わった [2014年9月26日]

平助がデレたー!?
読み返すと、1話で平助があっくんを可愛いと思ったのって奇跡以外の何者でもないよなあとしみじみ(ひどい)
なにげにあっくんが号泣したのも初めて。昔可愛がってた子供に小学校入学と同時にあっさりと巣立たれた身としては、これから平助離れが始まるのかなと予想しているのですが、正しいそのことが寂しくもあり、でも結局平助離れしなかったあっくんが見たいようでもあり。

「お前なんて落ちぶれてしまえ」と言い放った鈴木様に惹かれて読み始めたシリーズでしたが、読んでみたら超忍耐幼児にメロメロでした。お疲れ様でした!

2014年2月26日

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読書状況 読み終わった [2014年2月26日]

人生でトップクラスに好きな漫画が三本立て続けに刊行された上どれもそれぞれ濃くてグロッキーにされました①

今まで「人を生き返らせてはいけない」と語った作品も、人を生き返らせた作品も読んだことがある。
前者は「技術上不可能だから受け入れよ」「不可能なことを大事にしてきた人がいる」「死を大事にしなければ生きているとは言えない」「死者の冥福を妨げてはならない」など、様々な論調だった。
後者は苦労の果ての特別な褒美だったり、傷を癒す延長線上だったりした。
だけど、これほどシンプルにかつ胸に刺さる形で「人を生き返らせたくないと感じる理由」を語ってみせた作品には出会ったことがないし、これからも出会わないと思う。

イブキが人を生き返らせると判明して、たくさんの人々が無雑作に悲惨に死んで、でもこれから先イブキが彼らを生き返らせる道を選んでも、その死の重みも命の尊さも微塵も目減りしないだろうなと予想していたけれど、その通りだった。
例えこれから先生き返っても、その死の重みは全く減ることがない。彼らが死んだことでイブキが立たされた絶対の孤独、カルノを支えた強固な愛は微塵も揺るがない。

さすがにまた六年待たされるのは勘弁だけど、年一で刊行されたら満足です。半年でこの密度は死ねる。でも、先はもうあまり残されていない。クライマックスを襟を正して待ちたいと思います。

読書状況 読み終わった [2014年1月28日]

 今更読んで、今更今までピンと来なかった「ロッテーシャとクリーオウが似ていた」というエピソードが腑に落ちました。マルカジットのこの滅茶苦茶な戦い方、クリーオウの滅茶苦茶な戦い方(そして不条理な勝ち方)にそっくりだ。クリーオウからラチェットが生まれたのって、そう考えるとすごく納得できる。
 今まで秋田作品で繰り返されてきた「思考停止させる都合の良い万能な存在」が一見味方にという恐怖の事態。え、こいつ女神じゃないの? 違うの? いきなり出てきたとんでもないものと戦わされる羽目になりそうな三姉妹とマヨールの運命や如何に。
 マルカジットは能力はラッツベインとラチェットが主みたいだけど、行動目的はエッジに一番影響を受けているっぽい?(ヴァンパイアを絶滅させたい欲求が強かったのはエッジだし) そしてカーロッタ様さすがの貫禄。
 かつては斜に構えていたサルアは周囲諸共突っ走ってるし、大人たちが乾いた会話を続ける中で、ラッツベインがまさかの清涼剤。事態は終息……しないで、まだまだ危険のある世界が、それでも続いていくんだろうなあ。
 最終巻を楽しみにしています。

2013年11月11日

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読書状況 読み終わった [2013年11月11日]

「読みたかったのはこの結末じゃない」が正直な感想です。
中学生のころだったら納得したかもだけど、今、読みたかったのはこれじゃない。

前巻で毒姫を研究してた人の回想でちらっと現れた毒姫が婆様と同じ名前なことから、毒姫が救われる可能性はある、と深読みしてたら、劣化=急激な老化ですか。はあ(涙)

忌み子が二人とか「中の一人」って予言どこにフェードアウトしたって感じで納得できないし、国を滅ぼした要因としてはお父さんのほうがよっぽどだし、ハルちゃんはもうちょい見せ場ほしかったなと思うんですが、マオちゃんは素晴らしかったです。マオちゃんは非の付け所がない。パーフェクト。

まあ、リコリスは会議に連れて行ったほうが楽しい展開になったかな、とちょっと残念。愛した国を救うため命を賭して故国を糾弾する姫君とか燃える展開だったと思うんだけどなあ。

なにはともあれお疲れ様でした。中二病の闇に触れあうような作風を考えたら納得の展開だけど、でも、だからこそ非の打ち所のないハッピーエンドが見たかった!(しつこい)

2013年8月22日

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 連載初期は「忘却のクレイドル」の過去と知ってこの物語の未来に絶望しか感じなかったんですが、最後まで読んで、寧ろこの作品はクレイドルのエピローグ的な立ち位置なのかな、と思いました。
「生きてりゃ何とかなるって信じたいじゃん」は、ユピテルにもクレイドルの子どもたちにも当てはまる。彼らの未来には苦難が待ちかまえているけれど、生き残ったんだから何とかなったんだと、そう信じたい。

 余談ですが、委員長を見ててクレイドルのカヅキが普通の子だった理由がわかったような気がしました。この子と兄妹だったんだから、彼がこんな子になる可能性だってもちろんあったんだろう。

2013年7月15日

読書状況 読み終わった [2013年7月15日]

読書状況 読み終わった [2013年7月11日]

読書状況 読み終わった [2013年7月11日]

読書状況 読み終わった [2013年6月29日]
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 しかくのさんが新作を出してたのを今更知ったので購入。オリジナルかと思ってたけど、ジョルジュ・サンドが原作というかモチーフなのか。「爺さんと僕の事件帳」もパロディ要素があるらしいし、もう一つの代表作もメディアミックスだし、アレンジが得意な人なのかな。

 原作は未読ですが、軽く調べたところストーリーの展開を上手く構成し直して登場人物の心理描写に説得力を持たせたように感じました。それだけにラストのミステリ要素をどう評価すればいいのか困りますが、しかしこの読後感は間違いなくミステリ。
 この「恋愛小説」をミステリにしてるのは「なぜこの人はこんなことをしたのか」という心理部分。作者はなぜ双子のうち「私」を語り部にして、焦がれたファデットを「私」を通じて「悪魔」と呼んだのか。そこに彼の悔悟を感じますが、しかし作中の要素と印象だけを考えると、この話では結局ファデットは悲恋に終わったということに……うわあ後味悪い。

「静かな客」は宇佐木さんだったらトリックを見破った根拠が生まれて美しいんですが、18世紀の舞台をわざわざ19世紀にしたことや「静か」を強調されていることを見るに、十中八九「爺さんと僕の事件帳」の中寺逸樹お爺ちゃんですよねー。いや好きですよ逸樹お爺ちゃん。宇佐木さんだったらいくらなんでもキャラ違いすぎるし。いや自分が悲劇に一躍買ってしまったことに気づいて性格変わったとかでもいいですが。

「爺さんと僕の事件帳」新装版の予定は嬉しいですが、刊行予定が2010年だったのに2013年現在全く音沙汰なし。いつまでも待ってるから出してねー!

2013年6月30日

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 一昔前の少女漫画の流れを思わせる寄宿学校モノ。閉鎖された舞台にたゆたう少年たちの妖しい美しさが綿々と流れるけど、絵柄がさっぱりしてるので耽美になりすぎず読めるのが美味しい。
 ただ、近代的なキリスト教社会を思わせる舞台はあまり異世界っぽくなく、おかげで天使の設定を「え、これ本当? 何かの実験や陰謀を隠してるとかない?」と無駄に疑ってしまったのが少し残念。
 ガブリエルはママを卒業してしまったけど、タイトルはMAMA。少年たちの関係がメインと思わせて、それぞれの母子関係のほうがテーマなんだろうか。
 ラザロくんのお母さんはいい人で、だからラザロくんも優しく育ったんだろうけど、彼がそういったプラス面の影響を自覚するのはまだ先のこと、というか下手すりゃ自覚する前に死にそうでうわあ。少年たちの未来に幸があってほしいけど、天使になるのとならないの、どっちが幸せかは当人たち次第。そして次巻予告が不穏。目が離せませんな。

2013年6月29日

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読書状況 読み終わった [2013年6月29日]
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 YES! 異文化交流!! 未知の技術と異なる思想が出会って新しい技が生まれる展開にゾクゾクしました。
 黒王様はこの能力・この思想でジーザス・クライストじゃなかったらもう納得できないレベルなのでいいです覚悟は固めました。優しいイエス様に会いたかったら聖☆お兄さんを読みます。いや、実は天草四郎やユダだったとかでもいいんですが(微妙に覚悟できていない)

2013年6月29日

読書状況 読み終わった [2013年6月29日]

 空耳をテーマにした連作短編集で、雰囲気も好きだし絵柄も可愛かったので購入したのですが、最後を飾る話だけファンタジーで、うーん。
 単品で見ればこれも好きな雰囲気なのですが、それまでそんな不思議要素がなかったのに加え、これだけ他の話との繋がりを見せちゃったせいで余計に浮いてしまったように感じます。この短編の流れだと記憶喪失の男の子と記憶喪失前の彼を知ってる女の子の恋話を期待しちゃうよー。正体もはっきり設定見せるか、もう少しぼかした方が綺麗だったかなあ。
 暗闇バカップルが一番「空声」というタイトルに即した展開だったのでお気に入り。役割が男女逆転してる電車カップルも可愛かったです。

2013年6月26日

読書状況 読み終わった [2013年6月26日]

読書状況 読み終わった [2013年6月21日]
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