ツバサ(28)<完> (講談社コミックス)

著者 :
  • 講談社 (2009年11月17日発売)
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本棚登録 : 1550
感想 : 95
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 次第に四月一日中心の描写になっていったホリックに比べ、小狼&さくらとそれを見守る保護者ふたりという四人組の関係が描写されてたのは良かったし、四人とも可愛くてみんな好き、なんだけど、あの、できれば伏線をもっと……
 なんか前触れもなしに驚愕の事態→解説って流れが多くって、どうも釈然としない。前半の小狼離脱までは楽しめたけど、双子とか姫もとかは正直唐突だった。小狼はいいけど姫の方は余分だったんじゃないかなー。小狼の方に比べて出番が少ないせいで区別つきづらいし、なんで阿修羅さん気づかなかったの? って思うし(多分魂ごとだったからでしょうが)

 パラレルワールドなんだから、四人の誰かに会う展開もほしかったなー。っていうかさくらの能力がいまいちわかんない+別の世界のさくらは持ってないのか、持ってないなら何故この世界のさくらだけその力を持ってるのかが全然……遺跡の力も結局ツバサと関係なかったからあのタイミングで覚醒した理由もわからないし。
 おまけに小狼もさくらも別作品に登場してるから、てっきりそれがもう一人の小狼の過去なのかと思ってたら違うし……いや、ハッピーエンド迎えた作品の続きがコレだったら嫌なのでそれは寧ろ良かったんだけど。
 死人は生き返らないのはいいけど(過去に行けるならいくらでも方法ありそうだし、無機物や植物の再生はいいんかいと思うけど)、前に別作品であった生まれ変わりと恋に落ちるのはいいのかとモヤモヤ。

 そしてとにもかくにも飛王が小物すぎた上に結局正体や目的の動機が明かされず余計消化不良。目的判明で「ギャップ萌え来た」と思ったら「それがクロウを超えた証明になる」とか言っちゃうし。これならいっそクロウじゃなくて四月一日の思念が時間遡行したって方がいいな。だって侑子さんはあの時点でふつうに話せたわけだし。帰らない侑子さんを待つ四月一日の思念が侑子さんが存在していた頃へと時間遡行して行動を開始したと思えば、ことある事に小狼に「お前も同じだ」と理解を求めた理由も……まあ、ないな、CLAMPだし。
 ↑追記:と思ったけど、今までのCLAMP作品のラスボスといえば「実はヒロインが」「実は主人公が」「主人公の幼馴染みが」「主人公に求愛していた人が」と主人公たちとの因縁もボスとしての凄みもばっちりな面々で、やっぱり飛王って百目鬼が補完してる卵から孵った四月一日の侑子さんへの想いじゃなかろうか。すっごく救いがなくなるけど、主人公陣ほぼ全滅な鬱展開やらかしたことは覚えてるので、あり得ないとは言わない。敢えて。

 別世界で悲惨な人たちが幸せそうに暮らしてたのは嬉しかったです。でも正直吸血鬼昴の片割れは北斗ちゃんがよかった……! あの性格で吸血鬼な北斗ちゃんが是非見たかった! はい、個人的な趣味ですごめんなさい。でも小鳥ちゃんハブっちゃいやん。それとも小鳥ちゃんは小羽ちゃんなのかなあ、名前的に。いや大体名前同じだから可能性低いけど。
 四月一日の失われた記憶も微妙に不透明なままだし、完全なハッピーエンドじゃないのは、もう、CLAMPだしなあ。別にハッピーエンドじゃなくてもいいけど、いい加減「続かない」作品を読みたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 読書記録(まんが)
感想投稿日 : 2011年8月16日
読了日 : 2011年8月13日
本棚登録日 : 2011年8月15日

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