感想なんてそう簡単に書けないような小説です。一つ言えることは、これは絶対読んだ方がいいです。文学としてこれだけのものはそうそうないかと。
洋書で読んだということもあって、真相は第三部まではっきりとわかっていなかったせいもあってか、知った時は凍りつきました。
全てのいまいち解さない点が一気に浸透して行って、震えるような、いや実際軽く震えながら最後は一気に読み切りました。
ストーリーとしては完璧に計算された構成美のようなものすら感じました。全てのエピソードに意味があったようでスルーしてしまった部分もあると思うので再読しなければならないと思います。フィクションの最高峰かもしれません。
中身は、人として生きることの意味だったり、運命だったり、愛だったり、魂だったり、科学への警鐘だったり、想いの力だったりと色々あってどんな話かは描写する言葉が思いつきません。
カズオイシグロの独特の過去を語る繊細かつ断定的でない曖昧な描写は中々珍しいと思いました。
語りと会話なんで英語のレベルはそんなに高くはないですが、ストーリーの構成上読みつつ意味がわからない部分が英語のせいじゃなく元々あるので、それに惑わされないで第二部辺りまでいければ、あとは止まらないでしょう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
洋書
- 感想投稿日 : 2011年2月22日
- 読了日 : 2011年2月22日
- 本棚登録日 : 2011年2月22日
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