凍りのくじら (講談社文庫)

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本棚登録 : 12978
レビュー : 1581
著者 :
よえりんさん 小説   未設定

表紙がかわいくてステキ♡が、号泣しながら読んでました。分厚い氷に阻まれて呼吸ができず、文明の利器をもっても救うことのできなかったクジラのニュースというのが、凍りのクジラ。ドラえもんを軸にお話が展開してゆきます。
写真家 芦沢光の娘 理帆子が主人公。熱を伴うような衝突や情熱を避けて、どこか不在な日々を送っている理帆子。が、こころにはいつもドラえもんがいる。父は不在となってしまったけど、父がなにより大好きだったドラえもんが思い出と一緒に彼女のそばにいた。父、母の汐子、父母の友人である指揮者松永純也とその家族に大切にされ育ってゆく理帆子。30代なかばのお父さんを亡くし、最難関F高生になったばかりの年にお母さんともお別れしなければならなくなる。その過程でおこるいろいろなことのなかにはいくつかの大切なことが。
ひとつは父親という存在の大切さ。こんな辛い別れで道具を必要とする前にお父さんは愛を子どもたちにちゃんと伝えてほしい。
ふたつめは、どんなにぶあつくみえても愛は私たちの
心の氷を溶かす。それが冷たくみえてもほんものの愛は暖かく強い。
みっつめは、ストーカーの怖さ。

ドラえもんは、私も大好きです。ただ、ドラちゃんは、昔はもっと厳しかった。それがとても好きだった。
「僕はいつかは帰らなくちゃいけない。だから君は強くなるんだ。」って、いつものび太君を励まし、慰め、叱っていた。そして涙はいつも暖かかった。ライトを当てて照らしてたのは、いつも自立への道しるべだった。
ドラえもんがどんなに愛を注いでも、成長の糧にして前に進むのか、気持ちのよいぬるま湯として甘えの言い訳にして留まるのかは、自分次第。
どれだけみていても、いつまでも成長しないのび太君にイライラしてしまう時もあったけど、大切なのはそこじゃない。そこじゃないのです。
凍りが解けて春になったラストの郁也くんの写真や、ピアノを聞いてみたいなぁ♡

レビュー投稿日
2017年10月22日
本棚登録日
2017年9月26日
6
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