ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ビジネスリーダー1万人が選ぶベストビジネス書トップポイント大賞第2位! ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

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レビュー : 76
yomo77さん  未設定  未設定

2019年7月、半分強ほど読んで中断。

本書の内容は「理論」というよりフレームワークあるいはTipsであり、本書の意義はそれを使うためのケーススタディ、脳回路のトレーニングであると思う。「理論」は実証は不可能な内容だし現象の(部分的であれ)網羅的包括的な説明にならない。言葉の定義も曖昧で、ある意味相変わらずクリステンセンらしい本。

内容をごく大まかにいえば以下のとおり。
本書で提唱されているのは製品の価格やスペック上の表面的なニーズにとらわれず、体験を含めた、精神的な側面を含めた潜在的ニーズ(「ジョブ」と呼ぶ)をとらえるためのツールであり、これにより潜在的競合や潜在的顧客が見えるようになるというもの。

ここでは「状況」が非常に重視されている。なぜなら同じ個人でも状況によってニーズが変わるから。ミルクシェイクが朝の通勤客と休日夕方の子連れ客で異なるジョブに対処するという例はわかりやすい。従来のデモグラフィックやペルソナに偏った分析の、機能にとらわれた観点、社会的感情的側面の欠如への反省であろうか。


以下、私の勝手な理解・解釈。

「ジョブ」というのはある意味では当然の話である。課題を解決し効用を得てQOLを向上させるために財やサービスが買われる。個人的意見としてはSTPの間違いや、手段としての4Pに固執しているからこそこれが重要に思えるのだろう(経済学者には選好のベクトルの他の次元を見逃しているだけに過ぎないと言われそう)。
つまるところ本書の提唱する内容は「ニーズ」を狭い意味で限定せず「ジョブ」として捉えるための視点、と言える。それは従来のフレームワークと競合するものではなく、STPの段階でいかに狭い視点の罠にはまらずに思考できるかが重要であるという話に位置づけられると思う。

しかし、実際には本書の目指す潜在的ニーズの把握は困難だ。
特に既存の問題を何らかの方法で補っている場合は、不満や代替手段によりニーズを観察可能だが、無意識な不満、または純粋な改善・向上については観察しがたい。
「顧客はニーズを教えてくれない」であり、まさに著者がイノベーションのジレンマで小さく試すことが推奨された重要な理由と思う。

以上、最後まで読んでいない中での感想なので間違いもあろうかと思う。
書いている内容は教訓としては優れているが、クリステンセンらしく、体系立てられていないエッセイの類のような文章ゆえ、目次等から本全体の見通しが立てられず読み続けられなかった。

レビュー投稿日
2019年8月13日
本棚登録日
2019年8月13日
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