長野の東山魁夷館に行ったとき、よく知っているつもりの「魁夷的」な大きな絵とはタッチの違う、これらの絵がとても気になった、気に入った。1冊の本なので、すぐに買い求めた。とりあえず、帯に書かれていることを引用する。「1975年、画伯は40年振りにパリを訪れた。かつて若い画学生の頃には、華やかなパリに心を奪われて気がつかなかった広場の椅子が眼についた。ひっそりとたたずむ鉄製の椅子。親しみをもって眺めると、椅子も低く囁きかけてくる……。椅子の言葉にペン画の挿画を添えて一冊の詩画集ができあがった。1976年のことであった。」東山魁夷自身の詩文(椅子が語る言葉)を味わえる、というだけでも貴重だと思えるし、ペン画(とおそらく水彩、20葉近く)の挿画の素敵なこと!こんなに詩情溢れる本に出会えるなんて、たまには遠出もしてみるものです。書を捨てず、外へ出よう!作品の原寸法は44.6×38.0cmの用紙に描かれたもので、これを周囲の余白をそのままに同率縮小したとの由。現在は大型本も出ているみたいですが、作品自体は、長野で見ることができます。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2009年7月15日
- 読了日 : 2009年7月15日
- 本棚登録日 : 2009年7月15日
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