ねこバカ いぬバカ

  • 小学館 (2015年4月16日発売)
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本棚登録 : 130
感想 : 15
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猫飼いの養老孟司さん、犬飼いの近藤誠さん、2人の医学博士による対談本。

きっと親バカトーク満載なんだろうなーと軽い気持ちで読み始めたのですが、後半は人間やペットの老後医療、介護などを語っています。考えさせられる重厚な内容でした。ペットと暮らしている人には是非、是非お勧めしたい。

私は10才の双子猫と暮らしています。彼らの様子に不調が見えるとものすごく不安になります。将来のことも不安。でも、この本に出逢えて、指針となりえる考え方の方向が見えた気がしています。私の大事な2匹が安心して楽しい毎日を過ごせるよう、2匹にとって良いと思えることを選んでいこうと思います。


以下は、お2人の言葉で特に印象に残ったもの:

「触るとあったかくて、なにかとても心がやすらぐ。身近に別の生き物がいて、こっちに好意を持ってくれてるらしいのがうれしい」
「犬猫はよく食べたものを吐いたり、下痢をしたりしますけど、それもまずは自然に任せる気持ちが大切だと思います。体にとって悪いものを、外に出そうとする反射作用なんですから、止めてはいけない。いつでも水が飲めるようにしておけば、犬も猫も必要なときに飲んで、悪いものをどんどん排出します。~中略~ 発熱も、感染症の熱ならそのうち下がるし、熱があっても元気なら大丈夫。~中略~ 人間もペットも、ケガをして痛がっていたり、骨折して足を引きずってたりしたら医者に連れていった方がいいけど、それ以外は、なるべく自然に任せた方が長生きできると思います。」
「自然に任せて食べられなくなったらおしまい。欧米では今もそういう考えかただから、寝たきり老人はほとんどいない。~中略~ 寝たきりのお年寄りの胃に穴をあけて栄養を入れる「胃ろう」が問題になって「やっぱり口から食べさせよう」ってことになったせいで、介護士の負担がすごく増えています。~中略~ 介護にたずさわっているナース百何十人に「あなたがたがやっている介護を、自分だったら受けたいか」って聞いたら、受けたい人はゼロでした。~中略~ 全員がやってほしくないことをやっているのが、今の介護なんです。」
「ペットを手塩にかけるのはいいんだけど、最期のところはあんまり一生懸命にならないで、自然に任せた方がいいんじゃないかと思います。手をかけるほど犬猫は苦しむから。~中略~ 結局、治療をしてもしなくても、飼い主は後悔するでしょ。~中略~ 飼い主自身が自分の考えをしっかり持つことですね。」
「ペットにとっては何もされないことが自然で、それが彼らや彼女らの幸福だと考えたらどうかなと思います。ワンちゃんも猫ちゃんも、医療行為をされなきゃ、おびえることも苦しむこともなく、静かに死んでいくことができるわけですから。」
「ワクチンを打ったところに、がんの一種、肉腫ができる。それもけっこう頻度が高い。犬にも出ますが、猫の方が頻度が高いようです。~中略~ 基本的にアジュバント(免疫増強剤)が使われ、その中にアルミニウムや水銀が入ってる。これが刺激になって肉腫を起こすを言われています。」
「本書のタイトル候補として「ペットを看取る」や「うちの仔を看取る」などもありました。人間と同じように、ペットにとっても看取りの問題は大きく、その方法次第でペットが幸せにも不幸にもなりますし、看取った側に心の傷が残ることもあります。が、それはその時のこと。いつか来るその日まで ~中略~ ボビーのいる暮らしを心ゆくまで楽しみたいと思っています」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ペット
感想投稿日 : 2015年10月12日
読了日 : 2015年10月8日
本棚登録日 : 2015年10月12日

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