通称「地理人」の今和泉隆行さんが書かれた、地図感覚について書かれた本。
「地図感覚」とは一体なんだ?となりますが、著者の造語で、潜在的に持っている地理感覚、土地勘、経験を地図から引き出して読み解く感覚のことだそうです。
地図を見ただけで、その地域の都市の規模、街並みなどが想像できるそうです。
地図が読めなくて……という方もいるでしょう。地図そのものの情報が多層化して一見ではわからないかもしれない。そんな情報を1つずつ分けて読み解くためのヒントがたくさんあります。
今、ネットで見られるGoogle Map やYahoo!地図、マピオン地図、紙地図の地形図、都市地図、住宅地図などそれぞれの得意分野などの説明も詳しいです。
また、都市部と郊外の小学校、中学校の大きさは、だいたい一定の面積となっているので、それを基準に地図を見るなど、なるほどと思ったこともたくさんあります。
各章でも、地図から都市を読み解くヒントがたくさんあります。
特に興味を持ったのが、7章の、都市の発達と成長のところ。
古くから賑わっていた中心地である旧市街と、明治期以降、鉄道がひかれ、駅ができて発達した新市街。
旧市街と新市街の距離、地形、開発可能な土地などの違いで異なるタイプの都市ができるのだなあと感じました。
個人的には、駅=いちばん栄えている中心地だとぼんやり思っていましたが、この本の例にあげられていた熊本市などのように、駅はあくまで他地区からアクセスする玄関で、中心市街地は古くからの街にあるというところも少なくないのだなあと知りました。
本を見ながら、なんとなく感じていたことを明確に言葉で説明してもらったようで、なるほどと思うところがたくさんありました。
- 感想投稿日 : 2022年3月3日
- 読了日 : 2022年3月3日
- 本棚登録日 : 2022年3月3日
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