食道楽 下 (岩波文庫 緑 175-2)

著者 :
  • 岩波書店 (2005年8月19日発売)
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感想 : 6
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図書館で。
阿川弘之のエッセイを読んだら出てきたのでちょっと興味があって読んでみました。明治のベストセラーとのことですがナルホド今読んでも中々ハイカラ。ココナッツとかこの時代も手に入って食べてたんだなあと面白く読みました。洋ナシとかマンゴーのチャツネとかもあったんだなぁ。

とは言え。今風の簡単お出汁とかコンソメ類が無い時代なので旨みを補うためなのか砂糖の使用量が多い。昔の人はお砂糖が入っているとおご馳走だった、というのは本当なんだなぁなんて思いました。ちょっとやってみたいなと思ったのは茶碗鮨。熱くしたタレに賽の目のマグロをちょっとからめてご飯にかけて薬味と海苔もドバっとかけていただくのは美味しそう。ハイカラな料理は今読むとそれほど美味しくなさそう。お肉類も一度下茹でしてさらに煮込んで最後にクリームでカバーみたいな描写が多いしなぁ…

そして最初から大原さんがあまり好きになれなかったのでお登和嬢はちょっともったいないんじゃない?と思いながら読んでました。大体、お代さんも可哀想。不美人なのは本人の責任じゃないし、料理がヘタだというならちゃんと教えてあげなさいよ、とも思う。
中川兄も家庭円満の方、とか言って男性だけ外に行って豪遊するなら奥方も連れて行けと一説ぶってる割には小山さんの奥さんも同席されていることが少ないし、大原氏に至っては自分ひとりだけプラプラして中川家で美味しいものを頂戴して文句ばかり言っているとかそれは酷くない?と思ったりしました。まあ料理の啓蒙書なのでその辺りはどうでも良いのかもしれませんが…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2016年9月8日
読了日 : 2016年9月7日
本棚登録日 : 2016年9月7日

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