
図書館で。書店ガールにこの作家さんが出てきたので借りてみようかな、と借りてみました。このタイトルはあまり合わないんじゃないかなあ…。あとがきでも書いてありましたが原題は家庭医学書からって意味だしなんか思ってたのと全然違う本でちょっとびっくりです。
簡単に言うと作者さんの母上の病気の発見から亡くなられるまでの本なのですが。大腸がんかなあ。ご母堂がおいくつだったのかは分かりませんが末期ならばそれほど辛い抗がん剤を使わなくても、化学療法をしなくても良かったのではないかなあなんてぼんやり思いました。最初の手術は出血を止めるために必要だったとしても。2001年の本という事なのでそれほど昔の本でもないし…もう少し家族側でも情報収集出来なかったのかな。抗がん剤の副作用でものを食べられなかったり吐いたり、という描写は読んでいて辛いですね。自分が食いしん坊な所為もありますが。
とは言え何をどう選択しても悔いは残るしこの本は医学や介護に対する啓蒙書なわけではなく作者自身はこのように母を看取った、という日記のような本なのでそれでよいのかな、と思いました。100人居れば100通りのお別れがあるわけでその過程が正しいとか間違っているとかそういう話ではないのだと思います。自分がいかに肉親と決別したのか。必ず訪れる別れをどのように迎えるのか。他人事じゃないなあ、と読みながら思いました。
寂しい本です。人間、生きているうちに思いを伝えなくてはいけませんね。
それでも別れの時は辛いだろうから楽しめるうちは楽しまなくては。
- レビュー投稿日
- 2015年2月5日
- 読了日
- 2015年2月5日
- 本棚登録日
- 2015年2月5日
『家庭の医学 (朝日文庫)』のレビューへのコメント
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