グランド・フィナーレ (講談社文庫)

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本棚登録 : 698
レビュー : 85
著者 :
よりさん 小説   読み終わった 

この間伊坂幸太郎氏の本を買ったら宣伝が入っていたので一作かりてみようと図書館で。芥川賞を取った作品だそうですが読んだ感想はなんじゃこら?でした。あとがき読むと本を読まない世代が読むとスゴイと言うので作品を再評価したとか書いてありましたがそれって結局その方が読んだときはどうってことないと思ったという事なんじゃ…?とか思いました。

なんとなく重たい文章で読みにくいのとにじみ出る自分勝手な男の言い分が纏わりつくようで一言でいうと気色悪いお話でした。何が気持ち悪いって「ワタシ」さんは自分が悪いと言いつつも本心の所で全然そう思ってなさそうなところが怖い。結局奥さんが彼の異常な娘への執着をおかしいと思わなければ、発覚しなければ彼は今も娘の写真を撮り続けていただろうし何の良心の呵責もなく少女のポルノ写真を所持していただろうしな。そしてそれが何が悪いの?ぐらいにしか思っていないからいまだに娘に執着しているし娘も愛してくれていると信じている。成長した娘がいずれ訪ねてくれるかも、なんて期待を抱いている。オイオイとこちらは失笑せざる負えないですが。
いずれにせよ自分は悪くない。見つけた妻が悪い、余計なことをしゃべる友人が悪いぐらいしか思ってないのがにじみ出ていて恐ろしい。そしてそんな事件を起こしていても幼女二人が頼ってくれていると思いインコを贈ろうとする。いやあ、引っ越す少女に生き物はNGでしょう。でも彼は自分は良いことをしていると思うから人の事を考えて行動はしない。相手の立場も、気持ちも思いやることが出来ない。想像力が無さすぎる。もしかしたら食い物にしていた少女たちにとっても自分は良いことをしていると思っていたのかも。ものすごい独りよがりで怖い。あ、でも買春で捕まる人ってこういう意識なのかも。自分は悪くない。売るやつが居るから買ってやってるだけでむしろ自分は良いことをしているんだ、って。

結局痛ましい体験をしている子供が居てもアフリカのどこか、というように自分とは関係ない、他人事で済ませられてしまう時代って怖い。まあ…嫌なお話でした。

レビュー投稿日
2014年12月2日
読了日
2014年12月1日
本棚登録日
2014年12月1日
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