三たびの海峡

著者 :
  • 新潮社 (1992年4月1日発売)
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本棚登録 : 51
感想 : 6
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重い話ですが読んでよかったと思いました。
簡単にあらすじを書くと日本に強制連行された朝鮮の人が日本の炭鉱で働かされ、筆舌しがたい搾取と暴力を受けた話です。ほんの50年ほど前の話です。

『水に流す』という表現は確かに被害を受けた方が言う台詞であって加害者の側から表現するべきではないですよね。過去に過ちを犯したことは確かなのですからまずそれを認め、その後どうそれを償っていくのか。そのことが重要なのだと思います。過去の事実を認めなければ何も始まりません。だってそうですよね。家庭内においても仕事においてもですが何か悪いことをしてしまったとします。そんなことはしてないけどじゃあ弁償するよ、その分の何か埋め合わせをするよ、そんな風にことを進められてもこの人は又同じ過ちを犯すんじゃあないか、と言う不信感が募るだけです。まずは事実を認めなくては先に進めない。そう、思うのです。

読んでよかったと思います。きちんと史実も調べなくてはいけないな、と思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2011年7月28日
読了日 : -
本棚登録日 : 2011年7月28日

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