人体の限界 人はどこまで耐えられるのか 人の能力はどこまで伸ばせるのか (サイエンス・アイ新書)

著者 :
  • SBクリエイティブ (2018年3月16日発売)
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感想 : 6
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読んでいて、著者の苦労が感じられる。人体は複雑だ。能力の限界はゲームのようにステータス値で簡単に表すことはできない。

「はじめに」でそういった難しさについて記載がある。この部分をもっと詳しく書いて欲しかった。なぜ難しいのか、この本はどういう考えに基づいて、どのように分類したのかを詳しく知りたい。扱う領域が多岐に渡る上に、新書のサイズにコンパクトにおさめているので、よくわからない・納得できない箇所が多かった。

個人的には「第2章 運動機能」が面白かった。「長く世界記録が出ていない競技は人体の限界と言える」というような書き方をしていて、明快だ。人間の考えられる理論上の限界を示すのは難しいが、現時点での人類の最高値なら示せる。世界の頂点の人たちは限界に挑戦してここまでやるのか・・・というのを垣間見られた。

短距離走ではスタートの合図からmsec単位の反応速度、歩幅、歩数なんてものまで分析している。
泳ぐ能力では筋力などだけでなく水泳着の改良、水の抵抗を少なくする体型を得るための筋肉トレーニングなんてものまで。世界記録を目指す選手こそ、人体の限界に挑戦している。

この本の項目それぞれが、きっちり書こうとすると本1冊できてしまうほど奥深いものなんだろうと思う。それを素人でも読める新書にしてしまった。相当苦労したんじゃないかと思う。でも、新書のサイズでこの難しい課題を明快に表現したとはあまり思えない。なので星は少なめ。ゴメンナサイ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 雑学系
感想投稿日 : 2019年7月21日
読了日 : 2019年7月20日
本棚登録日 : 2019年7月14日

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