大尉の娘 (光文社古典新訳文庫)

  • 光文社 (2019年4月11日発売)
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本棚登録 : 151
感想 : 13
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ロシアの大家、プーシキンの戦争、そして恋愛を描く作品。序盤は平和な雰囲気だが、恋人マリアどの出会いの後、ならず者のプガチョーフが攻め入って来るところからいきなりシリアスな展開に。主人公、グリニョーフの勇気と信念、可憐なマリア、主人公との複雑な関係を形成するプガチョーフ、恥知らずで悪役のシヴァーブリン、そして主人公に忠実な召使いで大活躍するキーマンのサヴェーリイチ。皆キャラがたっている。展開も単純明快、ダイナミックかつとてもスピーディだし、風景描写もよい。
注釈がふんだんに記され、小説の背景となった史実である「プガチョーフによる農民戦争」に興味が高まり、解説を読むととこれがまた深い考察と取材によるもので、興味深い。
本小説で主人公とシヴァープリンとの決闘シーンがあるが、残念なことにプーシキンその人も決闘により若い命を散らしているのに驚く。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年1月21日
読了日 : 2023年1月21日
本棚登録日 : 2023年1月21日

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