夏も終わりに近い。夕方、車を走らせていると、ふと「夏は須叟の間に終わるであろう。終わらなければ夏でさえなかったのだから」というコトバが浮かんだ。種村季弘さんの本にあった。あとでこの本だとわかった。「失楽園」とは1918年に終焉したオーストリア=ハンガリー帝国のこと。
 驚異に満ちた世界を魔術のように次々見せてくれた種村さんは,調べてみると、2004年8月29日に亡くなっている。明日が命日とは知らなかった。まさに夏の終わりだ。

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