「レミゼラブル の世界 」 ちくま文庫版の翻訳者による解説本。レミゼラブルの意図不明部分(パリの歴史的考察、下水道や隠語の説明など) が理解できる。レミゼラブルには 政治小説の深みがある。
哲学的な部分=ユゴーの言葉
*哲学論、宗教論、修道院制度
*パリの浮浪児、下水道、下層階級の隠語
*ワーテルローの戦い、フランス革命、ルイフィリップの七月王政、六月暴動の歴史的考察
マリユス=若い頃のユゴー
*父ポンメルシー大佐(ナポレオン君主制)と 祖父ジルノルマン(王党主義)
*マリユスは 共和派(ABC)の会合で ナポレオン賛美
レミゼラブルの語り手=共和主義者
*ユゴー は ナポレオン(君主制)賛美→ナポレオン訣別へ
*ワーテルローはナポレオンの敵目線で小説を書いた
*共和主義=自由と良心の象徴
*死刑廃止
ジャンバルジャンとは
*「貧困が犯罪を生み 刑務所が犯罪者を作り出す」象徴
*本能的な悪事→良心の目覚め→宗教的回心
*良心の正念場=シャンマチュー事件
*孤独なジャンバルジャンと 孤児コゼットの出会い→美徳の道を歩み続けることができた=父としての幸福
ユゴー
*貧困問題を考えるには、貧困の言語である隠語が必要
*隠語=暗い美
*レミゼラブルは 社会主義の原則と理想〜進歩という理想
*無限=神、神の属性、人間の魂
*祈りには敬意→修道院制度は時代錯誤
ジャンバルジャンが死の直前に見ていたのが ミリエルの銀の燭台と コゼットの喪服
*ミリエルの慈愛→ジャンバルジャン→コゼットへ
*愛の対象の喪失→生命の源が燃え尽きた
テナルディエが奴隷商人になる=ユゴー の先祖も奴隷商人
- 感想投稿日 : 2018年8月5日
- 読了日 : 2018年8月5日
- 本棚登録日 : 2018年8月5日
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