ニーチェ入門 (ちくま新書)

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著者 :
yoshidamasakazuさん  未設定  読み終わった 

竹田青嗣 「 ニーチェ 入門 」

ニーチェの思想の特徴〜キリスト教批判、ルサンチマン批判、ニヒリズム、超人、永遠回帰〜を わかりやすく説明した本。

ニーチェ=ナチズム=危険思想という先入観がなくなる。ニーチェ思想を ポストマルクス主義としてアプローチし、権力の解体を思想基盤としている点に、人間的で 現実的な思想性を感じた。

「ツァラトゥストラ」「権力の意志」は読んでみたい

ニーチェ思想=権力の解体
*マルクス主義、キリスト教、ソクラテスを批判〜それらにより 知や認識が絶対化されると 権力を支える道具になる
*ルサンチマン(弱者の心)の批判
*ニヒリズムの克服→ ニヒリズム=神なる超越的根拠の喪失

ニーチェのディオニュソス的人間観
*秩序化、形式化された世界にカオスを賦活
*生の是認=人間は 欲望の本性(生への意志)によって 苦しみを作り出す〜この欲望以外に 人間の生の理由はありえない
*文明は新しい矛盾をもたらしたが、否定すべきでない→人間存在の本質=矛盾を引き受けつつ生きようと欲すること
*悲劇=矛盾に関わらず 人間は生を欲すること

ニーチェの批判対象
*マルクス主義=私的所有と自由市場の廃止→巨大な権力国家を作ってしまった
*ソクラテス=知識と理性により思考→真理に達する→真理こそ ヨーロッパの形而上学を貫く最大の迷妄

歴史の目標を人間以外のものにおくことへの抵抗
*キリスト教=最後の審判、カント=永久平和、プラトン=イデア などが 歴史の目標〜実存しないものを目標とすることに抵抗
*ニーチェの歴史の目標=より高い人間(種)の創出

キリスト教批判
*人間の理想の原型=キリスト教が作った→キリスト教の人間観=ニヒリズム(虚無への意志)
*キリスト教は 自分を思うことは悪。まずは神、次に隣人を思う
*神という超越的理想を向こう側に立て、自分の無価値を確かめる→生を否定する意志こそキリスト教のニヒリズムの本質

「事実なるものはない、ただ解釈だけがある」
*絶対的な見方、完全な観点は存在しない

超人
*キリスト教、哲学の人間のこれまでの理想には ルサンチマンを内包している→生の否定
*神の死=人間的価値の抹消→ニヒリズム
*ニヒリズムを徹底して ニヒリズムを克服するしかない=新しい価値の根拠、新しい価値の目標を打ち立てる
*新しい価値の根拠=力への意志。新しい価値の目標=超人の創出

ルサンチマン批判
*平等主義、平均化思想→他人の幸福を妬む心性→隙さえあれば 自分が上に立ちたい社会→人間の凡庸化
*弱者に必要なのは より高い人間の生き方をモデルとすること

永遠回帰
*永遠回帰の思想=無神論的宗教であり、物理学的形而上学
*世界は同一の状態を永遠に反復している→世界は神によって創造されたとするキリスト教的世界観の否定
*世界は始まりも終わりもなく、目的も意味もない。ただ存在しているだけ→ニヒリズムの徹底により 理想への回帰を封じる

レビュー投稿日
2019年5月23日
読了日
2019年5月24日
本棚登録日
2019年5月23日
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