ちくま文庫
茨木のり子 「 言の葉 3 」
「詩とは その言語を使って生きる民族の感情や理性の結晶である」という言葉から、代表作「倚りかからず」「一本の茎の上に」が生まれたように思う。
詩集「食卓に珈琲の匂い流れ」は 死別した最愛の夫や家族との記憶に寄り添う詩という感じ。静かなものに包まれている作風
詩集「倚りかからず」は 民族詩の要素が強くなり、大きな喪失を乗り越えた感じ。絶望と希望を同一視するまで、自立心が強まっている
その反面、日本に対する厳しい口調が目立つ。ことばを守ることを使命としている詩人としては、言葉を奪った帝国日本の行為が許せないのだと思う
この本の中で好きな詩は「行方不明の時間」この本のために書かれた詩で、生の喪失感も、生への執着もなく、肩の力の抜けた感がいい。韓国現代史選の趙炳華「別れる練習をしながら」と 世界観が近い?
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年11月6日
- 読了日 : 2022年11月6日
- 本棚登録日 : 2022年11月4日
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