「自分は自分にしかなれない。痛くてカッコ悪い今の自分を、理想の自分に近づけることしかできない。」という理香の言葉と「十点でも二十点でもいいから、自分の中から出しなよ。自分の中から出さないと点数さえつかないんだから。」という瑞月の言葉が重なる。
就職をひかえた5人の物語。それぞれの就活の中に、個々のツイートが挟まれる。事実とは異なっていたり、自分の努力したことだけを書くツイートは、なかなか内定をもらえない自分自身を、せめて自分が認めて励まそうとしているように思えた。
光太郎が言うように学校を卒業した後は「自分で動かないと自分の名前って変わんない。」それに、「観察者」の視点で周りを見下していては「何者」にもなれない。「カッコ悪い」自分を認めて、それを人前にさらす勇気を持つことから、すべてが始まっていくのだなと思った。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説 日本
- 感想投稿日 : 2021年5月21日
- 読了日 : 2021年5月21日
- 本棚登録日 : 2021年5月21日
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