博士の愛した数式 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2005年11月26日発売)
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本棚登録 : 41163
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ずっと積読のままだったこの本を手にとったのが昨日のこと。寸暇を惜しんで読んでしまった。主人公の目を通して描かれる博士の人となりに惹きつけられ、また主人公とその息子の優しさに安心し、現在に生きることすら難しい博士の行く末を心から心配しながら読んだ。何度も涙がこぼれた。どうしたらこんなに優しい物語が書けるのだろう。数式を「美しい」といい、数字の並ぶ様子をレース編みと描写する。小川洋子さんは数学にも造詣が深いのであろうか?なのに私のレベルにまで降りてきて解説してくれて、数字アレルギーの私でもちょっと勉強してみたいなと思ったぐらいである。80分しか記憶が持てない人の悲哀は計り知れないけれど、記憶が残らないことで救われることもある。様々なモチーフが繋ぎ合わされて魅力的な物語となっている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年5月25日
読了日 : 2016年5月25日
本棚登録日 : 2016年5月25日

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