根底に流れるのは、Ai(死亡時画像診断)導入による「死因不明社会」からの脱却と、その導入にあたっては司法ではなく医療界が主導でなければならないという、シリーズをとおして訴えられ続けているテーマです。
今作では、東城大病院にエーアイセンターが設立されるところから幕を開けるだけあって、その運営連絡会議の場面などにその訴えがこれまで以上に反映されているように思いました。
そういった、司法と医療の対立構図の緊迫感に加え、今回は病院のMRI室での殺人事件の謎解きが絡み(しかも、それが本格的なハウダニット!)、その容疑が高階院長にかかるという、見どころタップリのストーリーです。
しっかりエンターテイメントしてながら、司法制度や医療制度の問題も考えさせてくれる海堂さん、今回も面白くてためになりました。
「司法には監査制度がない」という言葉が印象に残りました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海堂尊
- 感想投稿日 : 2014年1月21日
- 読了日 : 2014年1月21日
- 本棚登録日 : 2014年1月19日
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