SNSの「いいね」やシェア、リツイートというのは自分の好みをある程度伝えることはできるけれど、そのとき感じた個々の印象や細かい感情の機微を伝えることはできない。
伝わらないことは、さほど気にならないのだが、私にとっての問題は「いいね」ボタンを押すことで、自分の感じ方に安易に決着をつけて、そこで思考停止や深く感じることを止めてしまうことのような気がする。
深く感じることと、伝えるための言葉を選ぶことは、つながっているものがある気がする。
絵もたくさんあり、文字も大きく、行間も広く非常に読みやすい本だけれど、読んでみると自分がいかに、言葉選びやものごとをよく観ることをサボっていたかがよくわかった。
この本のあとがきに、以下のような文章がある。
”書くという作業の最大の意義は、「時間をかけて自分なりの思想を育てる」ことにあるはずです。そのためには、定型化された紋切り型の言葉からきっぱりと縁を切る必要があります”
「かわいい」「いいね」「すごい」というような言葉は、通じやすいけれど浅い、そしてその感じ方も多分浅くなってしまうだろう。
もうちょっと私も思想を育てたいのだ、多分。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年4月4日
- 読了日 : 2019年4月4日
- 本棚登録日 : 2019年3月2日
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