- 三浦綾子 電子全集 道ありき 青春編
- 三浦綾子
- 小学館 / 1980年3月25日発売
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作家 三浦綾子さんの自伝がこの「道ありき」三部作のようだ。
この人の本を読んでいる順番が無茶苦茶なので、若いときのもの、晩年のものを行ったり来たりしているが、この本を読んで、なぜこの人がクリスチャンになったのか、頻繁に登場する前川正さんというのはどういう人なのかがよくわかった。
晩年のものから読んでいる私からすると、この本に登場する著者は若い頃、どちらかと言えば「奔放」と呼ばれる女性だったようだ(と言っても、時代が違いすぎて今の「奔放」という言葉とは雲泥の差があるが‥)
教師を辞め、病を経て、前川氏と出会い変わっていく著者の姿を読んでいると、「運命」(著者なら神の定めた道とでも言うのかもしれないが)というものが予め用意されているというのも嘘ではないかも‥と思えてくる。
どなたかのレビューに「モテすぎ!ずるい。」みたいなコメントがあって吹き出したが、確かにモテモテである。
一連の全集がKndleで出ていて、そちらをダラダラと読んでいるが(主に入浴中に)、こんなにたくさんの本を出されているとは知らなかったので書店ではもう見かけないものも多いのだろう。
この電子書籍版には、おそらく当時の本には含まれていなかったご主人の三浦光世氏の解説が含まれているのがありがたい。
2018年11月9日
- 三浦綾子 電子全集 愛すること信ずること
- 三浦綾子
- 小学館 / 2004年2月15日発売
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「氷点」の著者として有名な三浦綾子氏の最初のエッセイがこの本だったらしい。(知らずに読んだ)
クリスチャン同士のとても仲のいいご夫婦である著者の話をベースに、結婚にまつわる訓話がたくさん。
1973年に出版された本らしく、今の時代に読むと、ものすごく古臭く感じる部分も多い。
旦那様や義理実家を立てる、安易に離婚を考えるな、なんていうのは時代錯誤だと感じる人も多いと思うのだが、一方でこういう考え方がなくなってしまったから、結婚が損得重視になってきている面も確かにあるよな‥と思ったりもする。
「寄り添う」という言葉は今の時代の結婚にはなかなかそぐわない言葉だが、ここにはそういった言葉がピタリとくる関係があり、お互いに相手をまるごとを受け入れるということはどういうことかについて、考えさせられた本。
夫を一方的に立てるなどと読むと、ん?と思うこともあるだろうが、自分なりに読み替えてみて、これって結婚においてパートナーが双方に対して思っていれば、本当に素晴らしいことだよな‥と感じられることが多い。
それを実践しているのがこの三浦夫妻ということだろう。
2018年10月18日
- 本日は大安なり (角川文庫)
- 辻村深月
- KADOKAWA / 角川書店 / 2014年1月25日発売
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ある日の披露宴会場の1日の話で、当日披露宴を行う4カップルの話が同時進行で進んで行く。
登場人物が少なくないのだけれど、きちんと書き分けられていて、決して読みにくくはない。
登場人物の多さがカラフルな印象になり、上手な作家さんだなぁと思う。
読後感もいい。
2018年10月12日
- 光待つ場所へ (講談社文庫)
- 辻村深月
- 講談社 / 2013年9月13日発売
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★4にするかどうか悩んだけれど、ちょっとわかりにくいところがな‥と、1つ下げる。
後から知ったが、この本は辻村深月さんのその他の作品のスピンオフらしい。だから、ピンと来ない部分があったのかも。
いずれの短編も面白かったけれど、「しあわせのこみち」がすごく印象深かった。背景や場面の描写が頭に浮かびやすいからかもしれない。
スピンオフの話はこちらが詳しい感じだったので、この情報を参考にあれこれ読んでみるかなぁ‥と思うとまた楽しみ。
http://girl-book.hatenablog.com/entry/2016/06/21/210000
2018年10月12日