【読書】優れた政治感覚と強いリーダーシップで戦後の混乱期にあった日本を盛り立て、戦後日本の礎を築いたと言われる、吉田茂。彼が生まれてから日本を独立に導くまでの話。烈々たる愛国の情を持った信念の政治家といわれるが、かなり感情の起伏も激しく、難しい人間である。しかし、なぜか憎めない個性的なキャラクターに非常に引き込まれた。今なお国民の多くから慕われるのは彼のその性格によるものだろう。自分が同じ著者の書いた本を読んで尊敬の念を抱いている白洲次郎が側近として働き、彼を慕っていたのがわかる。
戦時中は当時の駐日アメリカ大使であるグルー氏と親交を深め、様々な方面から戦争を回避するよう奔走していた。占領下の日本においても、GHQの高圧的な姿勢にも屈せず、日本人としての誇りを忘れず、GHQのマッカーサー等と対等に渡り合い、最後に日本の独立を勝ち取った。
戦後の日本の復興は吉田氏が到底なしえなかっただろう。講和条約を締結し、独立を勝ち取り、日本に戻ってきたときの吉田の「生涯最高の笑顔」を見ると、これまでのさまざまな苦難や想いを感じ、胸が本当に熱くなる。現代日本の繁栄はこうした偉大な先人たちの築いてきたものの上に成り立っていることを再確認する。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2011年9月8日
- 読了日 : 2011年9月8日
- 本棚登録日 : 2011年9月8日
みんなの感想をみる