刑事司法とジェンダー

著者 :
  • インパクト出版会 (2013年3月1日発売)
4.18
  • (4)
  • (5)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 92
感想 : 6

刑事司法は性暴力事件をどのように扱ってきたかをテーマに強姦罪、強制わいせつ罪の歴史、現在の司法システム、加害者へのインタビューなどが書かれている。
加害者は当時警察官であったにも関わらず、4人の被害者を生み出した。
こういった事件を見聞きした時、動機に関する情報は、ほとんどが「性欲を抑えきれなくて」というものだと思う。
加害者のインタビューを読んで、実態との差に驚いた。
そこには単なる性欲の強さでは済まされない原因が根ざしていると感じられた。
供述調書は作文なのだと再認してしまう。
そして加害者の残忍性を強調するために利用される「実態のない被害者像」
「将来妻になる、母になる夢を打ち砕かれた」という被害者が語ってもいない事実を持ち出し、加害者を責める検察官。つまりこの検察官がそう思っているという事。
そしてこういった勝手なイメージによって更に被害者は傷つく。
なぜ、そう決めつけるのか。こういった疑問をぶつけても明確な答えは出ないように思う。きっと「女性だから」という曖昧なものだろう。
この、世間一般に根付く「女性のイメージ」そして「性犯罪者のイメージ(性欲が強くて当然のような)」を払拭して向き合わない限り、再犯防止への道は険しいと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年10月26日
読了日 : 2017年10月25日
本棚登録日 : 2017年10月25日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする