記者たちは海に向かった 津波と放射能と福島民友新聞 (ノンフィクション単行本)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2014年3月7日発売)
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本棚登録 : 265
感想 : 37
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 震災直後の福島民友を追ったノンフィクション。

 こういう本を読むと震災直後の混乱を自分達がすっかり忘れてることに気づかされる。
 福島民友は震災直後の3月12日にも朝刊を出して紙齢(しれい)を欠くことを防いだわけだが、それは記者だけでなく配達の人など多くの人の意思があってのことだ。
 人を助け津波で亡くなった若い記者。思わずカメラを手にとって救助が遅れたと自分を責める記者。そういった記者達も強く印象に残ったが、私が一番印象に残ったのは福島第一原子力発電所の所長と民友の記者が会見で目が合った時に二人共号泣した場面だ。原発の人達はその地域の人達でもあるのだ。その事実の重みをひしひしと感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 東日本大震災・原発
感想投稿日 : 2015年6月5日
読了日 : 2015年6月5日
本棚登録日 : 2015年5月27日

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