日本の箱庭療法の第一人者河合隼雄と「臨床の知」などの著作を持つ哲学者の中村雄二郎が箱庭療法について対談する。
理論よりも体験や感覚を大事にするという点でとても共通している二人。意外にもこの対談本は他のどの箱庭療法の入門書や解説書よりも箱庭療法を理解するのに適している。箱庭療法自体が理論より感覚と経験という”臨床の知”によってなされるからなのだろう。
いくつか箱庭療法を語る上で忘れられない河合隼雄の言葉があった。
「普通の人の人形は用意するべきではない」 「箱庭の人形は専門の業者をつくるべきではない」 「箱庭療法は学会をつくるべきではない」
これらの言葉はその理由と共に記憶に留めておきたい。
「箱庭療法についてお勧めの本は何か?」と聞かれたら私は迷わずこの本を勧める。この対談はどんな箱庭療法の専門書よりも専門書として優れていると思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
カウンセリング
- 感想投稿日 : 2011年11月9日
- 読了日 : 2011年9月24日
- 本棚登録日 : 2011年9月5日
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