イノベーションのDNA: 破壊的イノベータの5つのスキル

  • 翔泳社 (2012年1月1日発売)
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「イノベーションのジレンマ」で著名なクリステンセン教授の最新作。「ジレンマ」は、多くの企業が成熟とともに「持続的イノベーション」を追求する中、安物の代替品と思われた製品がいつのまにか市場を席巻してしまう「破壊的イノベーション」のメカニズムを明らかにし、それに続く「イノベーションへの解」は破壊的イノベーションの実践書だった。
  本書も実践書であるが、「解」が「戦略論」であるのに対し、「個人と組織」に焦点をあてている。著者によれば、優れたイノベーターのスキルは「質問力」「観察力」「ネットワーク力」「実験力」と、それらを活用して「異なるものを関連づける力」の5つに集約される。さらに、イノベイティブな組織はこれら5つのスキルをもった「個人」(Person)を最大限生かせるような「プロセス」(Process)と「ポリシー」(Policy)を兼ね備えているという。
  読者は「5つのスキル」のいくつかについて、意識的あるいは無意識に実行していることに気づくかもしれない。同時に苦手なスキルも明らかになるだろう。特に日本企業においては、個人としては「発見力」を発揮したくても、組織的な制約が邪魔をしていることが多い。そこに風穴を開けるためには何が必要なのか。そんな「質問」をすることから本書の実践を始めたいと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経営戦略
感想投稿日 : 2015年6月7日
読了日 : 2012年2月19日
本棚登録日 : 2015年6月7日

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