叶黒白の掌編、いずれも面白くて引き込まれるのだけれど、最後の一文が蛇足だししっくりこないので、とてもいらいらしてしまっていた。
それだけに、結末を読んだ時の「やっぱり、それでか!」感が爽快だった。
まあ、結局、蛇足感はなくならないのだけれど、この掌編の成り立ちを思えば、それも当然というものなんだろう。
日常に属する人間が、焦がれていた非日常にようやく足を踏み入れる。
そうして自分も「非日常」の一部だと思い込もうとするけれど、結局交じり切ることができず、日常に戻っていく。
「やっぱり、日常がいいよね」というわけではないのだけれど、「非日常は、思っているほどいいものではない」ということを教えられるストーリーだった気がする。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学・評論
- 感想投稿日 : 2017年11月29日
- 読了日 : 2017年11月29日
- 本棚登録日 : 2017年11月29日
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