荷風のあめりか (平凡社ライブラリー)

著者 :
  • 平凡社 (2005年12月7日発売)
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感想 : 2
5

2019年1月読了。
「洋行」がまだ国家や一部の有力資本の独占的なイベントで、帰朝者にはそれだけで選良のレッテルを貼られる頃に、永井荷風は誰よりも先駆けて野暮ったい洋行の「意味」から自分を解き放ち、自由や独立を勝ち取ったバカボンドだった。
ただこのバガボンドは「言語=文学」という制約条件があるがために、やがて帰国して自分を「江戸戯作者」という身分に「落として」、帰らぬ江戸の昔に遊ぶしかなかった。
翻って最近はやたらと「国を愛する」だの「〇〇国を守る」だのと威勢の良い言辞を持て囃し、自分にとっての「外縁」に敵意という劣情を燃やしている向きが多いが、そんな向きこそ愛情や他人へ眼差しが不足しているのだろうとぼやかざるを得ない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年1月20日
読了日 : 2019年1月18日
本棚登録日 : 2018年10月15日

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