一九八四年 (ハヤカワepi文庫)

  • 早川書房 (2009年7月18日発売)
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本棚登録 : 1710
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1949年の有名なディストピアSF小説。
冷戦期ということもあり、オセアニアの政治体制はスターリン体制への批判ととらえることができ、冷戦期には反共のバイブル化した。
しかしながら冷戦戦が終わってもなお、歴史改竄や二十思考などこの日本でも謎に身近なことに思えるような出来事に驚かされる。トマス・ピンチョンの解説で、ジョージ・オーウェルがイギリス労働党にもファシズムを見出している点を指摘しているが、民主主義がある程度成熟したといえる現代だからこその響くものがある。
ウィンストン・スミスが母親と娘を見殺しにしたと告白するシーンと、最後の拷問シーンはかなり辛い。
トマス・ピンチョンの解説はさすがで、この解説を読むために本文を読んでもいいくらい。
特に、本編の最後がニュースピークスの附録で終わる点について、これの附録は過去形で客観的に記されていることから、このディストピアが永くは続かないというかすかな希望を見抜いている点が、鋭すぎて鳥肌がたった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年11月14日
読了日 : 2021年11月14日
本棚登録日 : 2021年11月14日

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