プラトン全集〈9〉 ゴルギアス メノン

  • 岩波書店 (2005年9月23日発売)
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◆「ゴルギアス」では弁論術についてという副題がついているが、テーマは徐々に道徳や政治、幸福や人生に移行してゆく。

一番長い対話相手が、「善良な市民」の代表ともいえるカリクレスで、ソクラテスと激しい議論を交わすのだが

・・・後半になると

何十行にわたってしゃべり続けるソクラテス

カリクレス「そうだ」

さらに何十行にわたってしゃべり続けるソクラテス

カリクレス「たしかに」

さらに調子にのってしゃべりまくるソクラテス
時にソクラテスの主張は見開き6ページにもわたる
(「あれ、カリクレス消えちゃったよ」と思いつつ)

カリクレス「そのとおりだ」


最後に、ソクラテスが「この説についていこうでないか、カリクレス。」で締める。


・・・


対話になってねぇ~~~~wwwwww


◆「メノン」では「徳」とは何かということについて語られる。
プラトンの著作のなかでも割合短い対話編ということで、勧められることも多かった。

徳(アレテー)から想起(アナムネーシス)や仮設(ヒュポテシス)といった、「知の根源」を問う営みが対話をとおして探求される。
また、魂の不死と、魂の全知についても語られている。

「人間は、自分が知っているものも知らないものも、これを探究することはできない」という言葉には実に深いものを感じました。

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カテゴリ: 学術書
感想投稿日 : 2013年1月27日
本棚登録日 : 2013年1月27日

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