長岡弘樹作品は、数年前に「教場」を読んで以来の2作品目。
木村拓哉主演のドラマに感化され本作品を購入。
「教場」は既に手元になく、ほぼ記憶にない。
警察学校の元刑事の鬼教官風間が、警察に不適合と判断した生徒や、
意識が低い生徒に喝を入れるために退校届を渡すのが
本作品のフォーマットになっている。
本書は6話構成で、前後に多少のつながりはあるが1話で完結していくので、
長編を読むのが苦手な方も大丈夫。
さて木村拓哉主演のドラマがどうだったか。
ドラマは原作を忠実に再現しているわけではなく、
小説の要所要所を巧く織り込み、見事に長時間ドラマへと昇華していた。
ドラマの風間のほうが無口で厳しく描かれていた。
ドラマ、小説のどちらにも良さはあるが、
個人的にドラマのほうがエピソードに強弱をつけており好ましかった。
教育という行為において説明しすぎない美徳、背中で語る美徳をどう捉えるか。
読む人の年代によって、もっと口で説明すれば、
こんなに混乱することもないのにと感じるだろうが、
自分で悩み考え抜いた結果、辿り着いた答えがより精神と肉体に
刻まれることは確かにある。
そしてハードボイルには口数少ない主人公が良く似合う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
警察小説
- 感想投稿日 : 2020年1月6日
- 読了日 : 2020年1月6日
- 本棚登録日 : 2020年1月5日
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