午後の曳航 (新潮文庫)

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本棚登録 : 1553
レビュー : 175
著者 :
唯さん 純文学   読み終わった 

緻密な構成にため息が出る。
主人公は前半で完璧なる均衡を構築し、後半でそれが崩れそうになるのを必死に防ごうとする。美や理想のための作品だ。不気味なまでに美しい。
穴を見ている時の主人公のポーズなど、至極些細なところにも意味がある。それを考えるのも楽しく、緻密さにまたため息が出る。


題にある「曳航」とは船が船をひく様子の事で、「曳航」と「栄光」をかけている。その理由は、英語での題を読むとわかりやすい。「The Sailor Who Fell From Grace with the Sea」、即ち「海と共に優雅さを失った船乗り」。一人の男が栄光を失って行く、その様子が描かれた作品、という事が題からも暗示されているのだ。

レビュー投稿日
2010年1月25日
読了日
2008年11月17日
本棚登録日
2008年11月17日
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