哄笑必須。自虐のユーモアから、呆れのユーモア。どれも腹をひくつかせてしまう傑作だ。
特にこの第二部というのがどれも黄村先生シリーズなのだが、なんとも軽妙。風雅な事に手を出しては、それがあらぬ方向へ行ってしまい笑いを誘う、愛すべき黄村恩師である。
Ⅰ
おしゃれ童子
服装に就いて
畜犬談
Ⅱ
黄村先生言行録
花吹雪
不審庵
Ⅲ
親友交歓
男女同権
哲学者木田元による前置き「滑稽文学について」も坂口安吾からバルザックまで、様々な著者による滑稽小説を紹介しており、読み応えがある。流石のみすず書房出版。太宰治生誕100周年記念の2009年には、こういう本をプッシュして欲しかったものである。良質な笑いを今、世間に。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
純文学
- 感想投稿日 : 2010年1月31日
- 読了日 : 2010年1月31日
- 本棚登録日 : 2010年1月31日
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