FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

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本棚登録 : 5053
レビュー : 438
ゆかさん 2019   読み終わった 

仕事柄、思考の際は「データを基に」「事実ベースで」ということが叩き込まれているが、データをどのように解釈するかは難しいと日々感じている。
本書は私たちが事実を解釈する際につい掛けがちなフィルターを教えてくれる。公衆衛生学の観点から世界の問題を例に挙げられているが、国内でも同様の事例は見受けられると思った(食品添加物、放射線、首相批判etc…)。

データの必要性や、それを自らの思い込みによって捻じ曲げずに解釈するための考え方は本書から知ることができる。しかし私が最も大切だと思ったのは、一度知った事実も変わりゆくものであり、アップデートする必要があると認識することだった。

私はこれまでそれなりの教育から知識を身につけてきたと思っていたが、イントロダクションのクイズは15問中1問しか正解しなかった。
振り返れば、世界の貧困や発展途上国(この言い方が適切かわからないが)について私が持つイメージは、小中学生の頃ちょうど流行っていた「世界がもし100人の村だったら」の本やテレビ番組から得たものが大きい。
本・テレビとも初回が2001年であるため、これらの情報はすでに約20年前のものとなっている。その間に世界は着実に進歩していることに私は気づけなかった。自分がまだ30歳にも関わらず古い考えで物を見てしまっていたことに衝撃を受けた。

さらにこれらの情報は、既にフィルターをかけられたものであることを忘れてはならない。
上記のテレビ番組では、貧困にあえぐ子供たちの様子がドラマチックに描かれていた。このイメージが幼い私の心に深く残ったことが、世界を悪く捉える一因になってしまったと思う。

これを機に「世界がもし100人の村だったら」を読み返したいと思い探すと、2016年のデータで作り直したものを見つけることができた。
https://grapee.jp/180655
ここで示されているデータそのものはファクトといえるだろう(出典が正しければ)。しかし示し方にフィルターがかかっている。「〇〇できる人は何人、できない人は何人」という二項対立の書き方が多く、これは本書で言う「分断本能」を引き起こし得る。また、この文章を読む人は「できる人」であると想定されるため、「できない人がたくさんいる」という衝撃から事実を過大視させるだろう。
この記事の最後には2000年版との比較があり、その点は現状を理解する点で役に立つと思った。

世界はますます複雑化し、情報社会が加速しているが、以下のことを心にとめて生きていきたい
・事実は変わるものと認識し柔軟に考える
・既知の情報のアップデートを行う
・ファクトにかけられたフィルターに気づき適切に捉える

レビュー投稿日
2019年5月6日
読了日
2019年5月6日
本棚登録日
2019年5月6日
3
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