やわらかな棘

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本棚登録 : 217
レビュー : 44
yukari-lilyさん  未設定  読み終わった 

すごくすごく気に入って、これは自室の本棚に置いておきたいと思い、図書館で借りたけれど、読後改めて本屋さんで買いなおした1冊。
”憧れの女の子”が好きで、読んだ朝比奈あすかの2冊目。
こちらも、ほんとにすごく良かったなぁ♡
まず、4章全てが関わり合っている、連作小説ってゆうコンセプトが良かった!

”まちあわせ”は、今の私にはちょっときつい1冊だったかもしれない・・・
「怒りより不安を与えたかったなんて嘘ということ。計画もたくらみも、自分を支えるためだけのものだったこと。本当は、ただもう一度比呂人に会いたくてあんなメールを送ったのだということ。飽きられるより嫌われたかった。その代償に私は今、完全に比呂人を失った」、の一文はすごく正直だなぁと思った。女子同士のグループの仲も、すごく絶妙に描かれていた。
だからこそ、”ヒヨコと番長”では、「足の向かうずっと先に隼人がいる」という終わりでなんだかほっとした。

いちばん好きだったのは、”美しい雨”。喜多さんが美雨を褒めるシーン。「この子賢いなって思ったわ。あんまりしゃべらないけど、たくさん見てるしちゃんと理解いてる。それに、すごく周りに気を遣ってる。亜季さんはすごくいい母親だと思うよ。そういうの、美雨ちゃんを見てれば誰だって分かるよ」という言葉。それに対して不意に涙があふれそうになる亜季。このシーンがとっても好き。
きわめつけは、なつこせんせいが美雨に語りかけるシーン。「せんせいにもパパがずっといなかったんだよ。ほんとだよ。せんせいのママとパパ、ばいばいっていってわかれたの。りこんしたの。それだけど、せんせいはけっこんするんだよ。パパがいなくても、ママがいなくても、おおきくなってすきなひとができたら、みんな、けっこんできるんだよ」というシーンで、ぐっときた。

それからそれから、眠りについた娘に語りかけるラストシーン。
「いつの日かあなたにも、泣きじゃくる日がくるかもしれない。どうしようもなく、ふるえる日がくるかもしれない。誰かを憎んだり、失くしたり叶わなかったり裏切られたり傷つけられたりして、このまま世界が終わってしまえばよいと本気で願う日がくるかもしれない。
その時あたしが、あなたの横に居られることを、今から祈ろう。あたしがあなたのために一日でも永く生きられることを。健康でいられることを。あたしが、あなたへ吹きつける風を、少しでも和らげてあげられるよう。そして、求められた時には、『なりふり構わずに』あなたを守れる強い自分であるように。あなたのぶんも、あたしが祈る。だから、今は安心しておやすみ。
雨の朝生まれた、あたしだけのこども、美雨。」

落ち着いた頃に、また読みたいな♡♡

レビュー投稿日
2013年10月29日
読了日
2013年10月26日
本棚登録日
2013年10月29日
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