映像化作品は、
小説から入ることが多いです。
こちらの短編集も
映画化されるということで、
手に取りました。
5つの短編がおさめられた
こちらの本。
犯罪を犯した人の内面はえがかず、
生いたちや暮らしぶりという
外側の事実か淡々と語られていきます。
現実のニュースでは
一部分が切り取られて
誇張されることも多いものですが、
そこから想像される
罪を犯した人の姿は
事実とかけ離れている場合が
多々あります。
しかし、この小説では
事実は過不足なく
読み手に提示されます。
その犯罪をどうとるか、
「模範解答」は最後まで
示されることはなく、
読み手にゆだねられており、
人によって読後感は
まるでちがうのではないでしょうか。
まわりが良かれと思ってしたことが
だんだん歪められ、
本人をねじまげていくさまは
やりきれない閉塞感を
わたしのなかに残しました。
小説としては秀逸!ですが、
人の歪みを受けとめるだけの
余裕がないときや
気持ちが落ちこんでいるときはさけて、
読まれるといいと思います。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2020年1月14日
- 読了日 : 2020年1月12日
- 本棚登録日 : 2020年1月10日
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