「パンはころころ」なのに、表紙絵でパンよりもキツネが目立っているのは一体…??
と思いましたが、読み終えて納得しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
おじいさんがおばあさんに、パンを作ってほしいとお願いした。
おばあさんは粉ばちやらを掃いたりして、ようやく粉をかきあつめ、まあるいパンを焼いた。
パンはしばらくおじいさんとおばあさんのところで“おとなしく”していたのだけど、突然、そこから転がりだした。
コロコロ、コロコロ。
そしてパンが出会ったのは…?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
著者のマーシャ・ブラウンさんは、あの有名な「三びきやぎのがらがらどん」をかかれた方でもありました!
「三びきやぎのがらがらどん」は子どもの頃に読んでもらい、お話も覚えていたのですが、著者の名前は全然記憶になかったので、とてもびっくりしました。
言われてみれば絵の線は「三びきやぎのがらがらどん」に似てるような気もしましたが、本書の絵は白、茶、緑、朱赤、オレンジの、5色で描かれており、がらがらどんの色使いと違う印象を受け、著者がおなじとは気がつきませんでした。
あえてなのだと思いますが、文章は5・7・5調で書かれており、読み聞かせをしていると大変リズムがよく、気持ちもルンルンしてきました。
ただ後半は繰り返しの文章が多く、読み聞かせをしていたら、小2の娘はついに「(繰り返しのところ)読まなくてもいいんじゃない?」と言い出しました(苦笑)。
年中~小1くらいの、言葉のリズムや繰り返しをたのしめる頃には、とてもオススメな絵本です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「パンは おとなしく していたけれど…
とつぜん ころころ ころがりだした。」
(9ページ)
この表現が、とてもツボにはまりました。
モノであるパンが“おとなしく”しているなんて、通常有り得ません。
しかしこの一文のおかげで、本来は静物でしかなかったパンが、突然動き出したりするような“動物”に、変わってしまうのです。
たった一文ですが、この文なくして「パンはころころ」のお話は成り立たない!とまで思えてしまう一文でした。
さて、「パンはころころ」なのに、なぜか表紙絵で一番目立っているのはパンではなくキツネです。
読み始める前は!そのことに違和感を感じたのですが、読み終えてその理由がなんとなくわかりました。
キツネとパンの間になにがあったのか??
ぜひラストまで逃さず、読み終えてみてくださいね。
- 感想投稿日 : 2021年3月16日
- 読了日 : 2021年3月14日
- 本棚登録日 : 2021年3月14日
みんなの感想をみる