人生で大切なたったひとつのこと

  • 海竜社 (2016年1月25日発売)
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感想 : 29
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著者はアメリカで「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた作家で、自らの出身大学の教授でもあります。

作家を志すまでに数多くの職業に就いたユニークな経験から、独創的な作品を発表します。

本書は、2013年に著者が教授を務める大学の卒業式で、スピーチをしたときの原文および日本語訳を載せたものです。

およそ8分の短い内容ですが、ニューヨークタイムズ紙にスピーチ原稿が掲載された後には、100万回ものアクセスがあるなど大きな反響を呼んだそうです。


人生を振り返って、あなたが後悔していることは何ですか?
著者は自身の半生をユーモアを交えながら語りつつも、この質問に対するエピソードを卒業生たちに分かち合います。

幼少期、いじめられている同級生のことを気にかけてはいたものの、何もできずにその同級生が転校してしまったことを悔やんでいるといいます。

『わたしが人生でもっとも後悔しているのは、「やさしさがたりなかった」ということです。』


人は誰もが利他の心を持ちながらも、本能的に自分のことを優先しがち。

他人にやさしくしたほうがいいと頭ではわかっているけれど、実践するのは難しいと著者は語ります。

それでも「もっと愛情をもった人になりたい」と誰もが心の奥底で望んでいることに向き合って、どうすればそのような人になれるのか、自分で答えを追い求めてほしいと伝えます。


その上であらためて卒業生たちに向けて、やさしい人、光り輝く人になってほしいとエールを送ります。

『わたしたちが、もっとやさしいひとになるなら、行動するひと、達成するひと、夢をもち続けるひととして、自分自身と真摯に向き合うことが必要です。』

『大きな問題と向きあうようなことをしてください。あなたを小さな人間やつまらない人間にするようなことを避けてください。』

紹介したのは本書のごく一部ですが、とても深い内容であり、私も考えさせられることがたくさんありました。

私なりの考えですが、やさしさとは「相手の気持ちを理解できること、寄り添えること」だと感じました。

悲しい、悔しいなど、痛みをともなう経験は誰にとってもつらいものだと思います。

そんな時に、自分を励ましてくれる存在がいることは嬉しいですよね。

自分がつらい経験、悔しい経験をしているからこそ、同じような経験をしている相手の気持ちが心から理解できる。

自分の体験が、ときには相手にとってのやさしさになり得るのだと思いました。

だからこそ、さまざまなチャレンジをする、困難から逃げずに大きな問題と向き合うことが大切なのですね。

目標に掲げた結果を手にするまでの過程で、著者の言う「やさしい人」に自分が変わらざるを得ないのだ、とも感じました。


私も起業したての頃は、過去の自分が経験しなかったことにたくさん挑戦しました。

はじめのうちは、思った通りの結果にならないことも多かったです。

でも、その苦しい経験を乗り越えてきたから大きく成長できたのだと実感していますし、新しいチャレンジが理想の成果に向かわせてくれると信じています。

短い内容ながら、とても学びの多い1冊です。

また何度も読み返してみようと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年7月13日
読了日 : 2019年7月13日
本棚登録日 : 2019年7月13日

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