本書は大人気映画「スター・ウォーズ」を題材に、登場人物やストーリーを読み解きながら、人生を切り開くために大切なことを教えてくれるユニークな一冊です。

一貫して映画の中の世界観で語られており、各作品の写真や名シーンも多く載せられています。

スター・ウォーズファンの方なら、思わず手に取りたくなるのではないでしょうか。

私が最も印象に残った一節を紹介します。

「やる」か「やらぬ」かだ。「やってみる」はない。
作中の登場人物であるルークが、師匠のヨーダのもとで修行をする場面があります。

沼に戦闘機を不時着させてしまった弟子のルークに対し、ヨーダはフォース(※)を使って戦闘機を引き上げるように言います。
(※)「スター・ウォーズ」作品における架空のエネルギーのこと

しかしルークは、あんなに重い戦闘機を引き上げられるはずがない、石を動かすのとはわけが違うと言葉を漏らします。

これを聞いたヨーダは次のように言い放ちます。

『何も違わん!おまえの頭の中で違うだけじゃ。これまで学んできた価値基準を手放すことを学べ。』

『「やってみる」はいかん!「やる」か「やらぬ」かじゃ。「やってみる」などない。』


本書では、何事もやってみる、チャレンジすることは良いことだと書かれています。

成功しても失敗しても、そこから学べることがたくさんあるからです。

しかし、本気で何かを成し遂げるならば、「やる」という強い気持ちがなければならないといいます。

「やってみる」とは、失敗することをあらかじめ織り込んだ態度であり、失敗に保険をかけたような思いを持ち続ける限り「やり遂げる」ことは難しいのだそうです。

私はメンターから、「やる」と本気で決意している人の特徴を、
・すぐやる
・何でもやる
・できるまでやる
のように、具体的に行動を起こしている人だと教わりました。


ヨーダは、ルークの目の前で戦闘機を引き上げてみせました。

ヨーダは手本を見せることで、「できない」と思い込むルークの心理的なブロックを打ち砕こうとしたのです。

ポイントは、あることが実現可能だと「知る」ことなのだそうです。

誰かが(特に自分にとって身近な人が)困難なことをやり遂げるのを見て、それが「できる」ことだと知ると、急に「自分にもできる」とイメージしやすくなるといいます。

一度「できる」と知ってしまえば、難しさを気にして「やってみる」などと身構えることもなく、「やる」ようになります。


行動が必要だとわかっていても、不安や過去の経験から、一歩踏み出すのをためらってしまう方も多いかもしれませんね。

私はメンターから「一緒にいる人を変えて、考え方のくせを変えることが大切」と教わりつづけてきました。

私が経営を学びはじめたとき、わからないことがたくさんありました。

はじめの頃は、大きな結果をつくっている経営者の近くに、いつもいるように心がけてきました。

そうすると、私の過去の経験にはない考え方の違いや、当たり前とする価値観の違いにたくさん気がつきました。

メンターの「こうすればできる」という、考え方の前提を早く吸収して、事業の成果に結びつけてきました。

どんな人と一緒にいるかで、自分の思い込みが変わり、行動が変わる。

スター・ウォーズの世界を味わいながら、多くの学びを得られる興味深い一冊でした。

2019年7月27日

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