秘密 (文春文庫 ひ 13-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2001年5月10日発売)
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妻と娘が事故に遭い、娘には死んだはずの妻の意識が宿っていて…。現実をどう受け止めるのか、これからどう生きるのか、二人の関係は。
東野さんの作品は、私が手にした作品が偶々そうなのかわからないけれど、辛い現実を自身に置き換えて考えさせられる分、しんどい。
今回の読後感はなんとも妙な気分。妻の行動を、夫の気持ちを想って、最後は涙が溢れて本当に止まらなかったんだけど、果たして幸せなんだろうか。失ったものは取り返せないけれど、さらに喪失感は加速した気がして。
これは、自分が幸せになりたいという気持ちが大きいからかな。相手が幸せなら自分は大丈夫、なんて気持ちにはなかなかなれないから、幸せな読後感ではなかった。切なくそれでも、前を向いて生きようとする二人に心を打たれるお話でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内作家
感想投稿日 : 2014年11月9日
読了日 : 2014年10月1日
本棚登録日 : 2014年11月9日

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